金融の複雑なコンプラ業務をAIで7割削減、Rulebaseが2.1億円調達
資金調達と成長
YC支援のもと210万ドルを調達
元MS/GS出身者が2024年に創業
金融バックオフィス業務を自動化
AI「コワーカー」機能
顧客対応のコンプラリスクを評価
QAや紛争解決など手作業を代替
既存ツール(Jira等)とのシームレス連携
経営へのインパクト
業務コストを最大70%削減
顧客対応の100%レビューを実現
出典:TechCrunch
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Y Combinator出身のRulebaseが、プレシードラウンドで210万ドル(約3.1億円)の資金調達を実施しました。同社は、フィンテック企業のバックオフィス業務、特にコンプライアンスや品質保証(QA)を自動化するAIエージェント「コワーカー」を提供し、生産性向上を目指しています。
RulebaseのAIコワーカーは、従来の金融機関でQAアナリストが手動で3〜5%しかレビューできなかった顧客対応を、100%評価できるように設計されています。これにより、手作業を大幅に削減し、人的コストを最大70%削減できると創業者は述べています。
このAIエージェントは、顧客とのやり取りを評価し、規制リスクを即座に特定します。ZendeskやJira、Slackなどの既存プラットフォームと連携し、一連の紛争対応ライフサイクルを管理します。人間による監視(Human-in-the-loop)を維持している点も、金融業界にとって重要です。
Rulebaseが金融サービスに注力する理由は、高度な専門知識(ドメインナレッジ)が要求されるためです。Mastercardの規則やCFPB(消費者金融保護局)のタイムラインといった詳細な知識をシステムに組み込むことが、他社との決定的な競争優位性(Moat)になるとCEOは強調しています。
すでに米国大手銀行プラットフォームなどでの導入実績があり、エスカレーション率を30%削減するなどの効果が出ています。調達資金を活用し、エンジニアリングを強化するとともに、今後は不正調査や監査準備といった新機能の追加も視野に入れています。