OpenAI、社内出力トークンの99.8%がCodex経由と公表

社内利用の急拡大

社内出力トークンの99.8%Codex経由
法務や採用も主要AIに移行
研究部門は半年で利用56倍

長時間タスクへ移行

個人の80.6%が30分超作業を依頼
上位1%は1日60時間超の稼働
8時間超タスクが最速で増加

開発者の浸透

開発者の個人利用が137倍
業務職の作業4分の1が技術系

OpenAIは6月25日、AIエージェントが知識労働をどう変えるかを測定した経済研究の論文を公表しました。同社のコーディングエージェントCodex」について、社内では現在、週あたり出力トークンの99.8%Codex経由で生成されていると明らかにしました。チャットボットから自律型エージェントへ、仕事の主役が移りつつあることを示す内容です。

最大の変化は、利用がエンジニア以外へ広がった点です。法務・財務・採用といった非技術部門が2026年4月ごろにCodexを主要AIツールへ切り替え、平均的な弁護士や採用担当者でも出力トークンの85%超Codexで生成しています。研究部門の利用は2025年11月比で中央値56倍に達し、カスタマーサポートは32倍、エンジニアリングは27倍に増えました。

タスクの中身も短い対話から長時間の委任作業へと移りました。2026年5月までに個人ユーザーの80.6%が、人間なら30分以上かかる作業を少なくとも1度Codexに依頼し、25.6%は8時間超に相当する依頼を行ったといいます。社内の上位1%のユーザーは、複数の並列エージェントを使い1日あたり60時間を超えるエージェント稼働を生み出しています。

開発者の伸びが開発者を上回ったことも特徴です。2025年8月以降、非開発者の個人利用は137倍、組織利用は189倍に拡大しました。業務部門の従業員がCodexで行った作業の4分の1超はエンジニアリングやコーディングで、エージェントが専門知識の壁を下げ、職務範囲を越えた仕事を可能にしていると分析しています。

OpenAIはこの結果を「能力の高いエージェントに低摩擦でアクセスできると何が起きるか」を示すものだと位置づけます。ツールが改善するほど、人はより長く複雑で部門横断的な仕事に使うようになるとし、これが今後の働き方の姿になる可能性が高いと結論づけています。なお作業時間の推定はCodexの記録を用いたLLMによる判定に基づくため、正確値ではなく方向性を示す数値だと注記しています。

Ford、自動化の誤り修正へベテラン技術者350人を再雇用

AI過信の代償

AIが品質低下を誘発
ベテラン350人を再雇用・昇格
暗黙知の継承不足が露呈

予防型品質への転換

JD Power初期品質で16年ぶり首位
事後修正から未然防止
専任の品質保証40人を新設
AIテスト10万件超を追加

自動車大手のFordは2026年6月、生産・設計を任せた自動化システムが想定ほど堅牢でなく、誤りを修正するためベテラン技術者350人超を再雇用・昇格させたと明らかにしました。同社はJD Powerの初期品質ランキングで16年ぶりに主流自動車メーカー首位となり、その達成を機に近年の苦境を公表した形です。

車両ハードウェア技術担当VPのCharles Poon氏は「AIを導入して設計要件を調整すれば高品質な製品ができると誤って考えていた」と振り返りました。AIの効果は学習データの質に大きく左右されるうえ、複数の開発サイクルを経たベテラン技術者の組織的な知見の価値を過小評価していたといいます。一部の熟練人材が知識を十分に移管しないまま離職したことも、品質低下に拍車をかけました。

再雇用した技術者は若手の指導に加え、自動化システムを支えるデータ収集とAI学習の改善も担います。COOのKumar Galhotra氏は、部門が縦割りで欠陥を見つけて直す「find and fix」に頼りすぎていたと総括しました。今後は「問題を眺めるのをやめ、発生前に防ぐ」予防型の品質管理へ移行するとしています。

一方でFordはAI活用を後退させるわけではありません。ソフトとハードの開発を統合し、エッジケースを洗い出すAI駆動の自動テストを10万件超追加したほか、問題の未然防止に専念する40人のソフト品質保証チームを新設しました。安全が最優先となる自動車では、消費者向け機器のような「速く動いて後で直す」発想は通用しないとの認識を示しています。

AIが数学を解く時代、数学者の役割が問われる

AIの数学進出

数学五輪で金メダル相当の成績
AIが博士級の未解決問題を解決
証明支援系との連携で形式化を自動化
Gaussが球充填問題を独力で形式化

数学者の葛藤

研究者に広がる存在不安
理解の喜びは人間固有との主張
Taoが説く人機協働の未来
若手の知的萎縮への懸念

AIが数学研究の中核領域へ急速に進出し、数学者という職業の存在意義が問われています。IEEE Spectrumは2026年6月25日、ハイデルベルク受賞者フォーラムなどでの議論を基に、研究者たちがAIによる証明や発見をどう受け止めているかを報じました。かつて「確率的オウム」と揶揄された大規模言語モデルが、今や高度な数学推論を担う存在へと変貌しています。

AIの実績は急速に積み上がっています。昨夏にはGoogle DeepMindOpenAIのシステムが国際数学オリンピックで金メダル相当の成績を収め、今年に入るとDeepMindの実験的システムが博士級の研究成果を自律的に生み出しました。OpenAIの汎用システムは組合せ幾何学の重要な予想を反証し、トップ数学者が画期的成果と評価しています。

もう一つの転換は、証明支援系との連携です。Lean、Isabelle、Rocqといった証明検証ツールは、これまで人手で行う「形式化」という手間が壁でした。LLMがこの翻訳作業を自動化しつつあり、Math, Inc.の推論エージェントGaussは、フィールズ賞級の球充填問題を24次元のより複雑なケースまでわずか2週間で独力で形式化しました。

一方、数学者の間には存在不安が広がっています。フォーラムに集った若手研究者は「自分たちが置き換えられる可能性」を実感したといいます。プリンストン大学のVenkatesh氏やオタワ大学のFraser氏は、問題を理解しようともがく過程こそ数学の喜びであり、人間固有のものだと主張します。

対照的にUCLAのTerence Tao氏は、AIを脅威ではなく「大きな数学」への触媒と捉えます。創造的な部分を人間が担い、技術的な作業の大半をAIが引き受ける、人機協働の大規模分散型研究を構想しています。鍵となるのは形式化で、形式証明があれば無名の研究者の貢献も信頼できると説きます。

ただし懸念も残ります。高価な専有AIモデルへの依存が数学をエリートの活動に変える恐れや、困難な問題に深く取り組む動機の低下、そして答えに飛びつく若い世代の知的萎縮です。数学界はエッセイやワークショップ、利用指針の策定で対応を進めており、AIの時代に学問の方向性を保とうとしています。

Anthropic、Alibabaの過去最大クローン攻撃を非難

攻撃の規模

不正2.5万アカウント経由
2880万件の対話を生成
4月22日から6月5日に発生
標的はエージェント推論や開発

政治的背景

Trump政権の警告後に実行
蒸留攻撃の常態化を指摘
上院議員への書簡で証拠提示

米AI企業のAnthropicは6月25日、中国Alibabaが同社の主力モデルClaudeの能力を不正に複製しようとする過去最大規模の攻撃を仕掛けたと非難しました。Ars Technicaが入手した上院議員宛の6月10日付書簡で、同社は「これまで測定した中で最大のClaude能力の不正抽出キャンペーン」の機密証拠を共有したと明らかにしています。

攻撃は4月22日から6月5日にかけて発生したとされます。Anthropicによると、AlibabaとそのAI研究所Alibaba Qwenに関係する事業者が、約2万5000の不正アカウントを通じて2880万件超の対話Claudeと生成したといいます。標的となったのは、エージェント推論やソフトウェア開発、長期タスクといったClaudeの最も価値ある機能でした。

Alibabaは難読化技術とプロキシネットワークを使って検知を回避したと、Anthropicは指摘しています。中国側で信頼できる難読化技術への需要が高まる中、同社は将来の蒸留攻撃を支える「回避経済」が既に拡大していると警告しました。狙いは、自社で巨額の訓練・研究開発費を負担せずに最先端モデルの能力を得ることだとされます。

今回のキャンペーンが、Trump大統領が違法な蒸留攻撃を抑え込む措置を取った後に起きた点も重視されています。Trumpは4月、中国による「産業規模」のAI窃盗を非難しており、これはAnthropicDeepSeekやMoonshot、MiniMaxを同様の手口で告発した直後のことでした。OpenAIGoogleも自社モデルへの類似攻撃に関する調査結果を公表しています。

OpenAI、政権要請でGPT-5.6を限定公開へ

段階的な公開

GPT-5.6を限定プレビューで提供
対象は少数の大企業顧客のみ
政権が顧客アクセスを個別承認

競合との差

Anthropicには輸出規制命令
MythosとFableの提供停止を要求
外国籍は技術利用が不可に

OpenAIは6月25日、次期主力モデルGPT-5.6の公開を遅らせ、少数の大企業向けに限定プレビュー形式で提供すると明らかにしました。安全保障上の懸念を理由にトランプ政権が段階的な公開を求めたためで、プレビュー期間中は政権が顧客ごとにアクセスを承認します。サム・アルトマンCEOが社内のQ&A;で従業員に伝えたと報じられています。

今回の措置は、政権が「スピード重視」を掲げて米国のAI輸出を後押しすると約束してきた方針とは対照的です。実際に規制の網が大手AI企業へ及び始めた形で、業界内では政権の介入姿勢への警戒感が広がっています。一方で、企業によって扱いが大きく異なる点も浮き彫りになりました。

競合のAnthropicはより厳しい対応を受けています。同社は今月、主力モデルMythosとFableの提供停止を求める通告を受け取りました。政権は輸出管理上の指令を出し、米国市民でない社員を含む「外国籍」の利用を禁じたためです。

OpenAIへの条件はAnthropicに比べて緩やかで、政権のAI規制が企業ごとに不均一に運用されている実態がうかがえます。経営者エンジニアにとっては、最新モデルへのアクセスが政府の個別承認に左右されるという新たな不確実性が生じています。

MITとMicrosoft、AIエージェントの消費電力を大幅削減

新システムの中身

自然言語で処理を記述
最適なモデルと機材を自動選定
新名称は「Murakkab」

効率化の実証成果

計算量は従来の約35%
消費電力約27%に圧縮
コストは25%未満に低減
精度2%減で電力1桁削減

MITMicrosoftの研究チームは2026年6月25日、複数のAIモデルやツールを連携させるエージェントワークフローの設計と実行を自動最適化するシステム「Murakkab」を発表しました。開発者が自然言語でやりたいことを記述するだけで、最適なモデルやツール、ハードウェア構成を自動で決定し、計算資源の無駄を抑えます。

従来は開発者が使用するAIエージェントやモデル、ツールに加え、実行順序やハードウェアまですべて手作業で指定する必要がありました。組み合わせの選択肢が膨大なうえ、各社のブラックボックス型モデルが混在するため、最適な構成を人手で見つけるのはほぼ不可能でした。新モデルが登場するたびに一から作り直す手間も生じていました。

Murakkabは開発者意図を高レベルで受け取り、最適なモデルとツールの組み合わせを自動で特定します。逐次実行すべき処理と並列実行できる処理も判別し、性能を高めます。クラウド事業者が利用者に展開する際には、精度や遅延などの制約に合わせてハードウェア割り当てを動的に最適化します。

動画Q&A;やコード生成のワークフローで検証した結果、利用者の要件を満たしつつ計算量は他手法の約35%、消費電力は約27%、コストは25%未満に抑えられました。ある事例では精度の低下を約2%にとどめながら、消費電力を1桁以上削減したといいます。研究チームは今後、より複雑なワークフローや大規模クラスタへの拡張を目指す方針です。

Vercel、AI SDK 7公開でエージェント開発を強化

5領域を深化

推論制御の単一指定
型付きツールコンテキスト
ファイル・スキルの再利用
MCP AppsとTUI対応

本番運用の堅牢化

ツール承認と耐久実行
Codex外部ハーネス連携
音声動画への拡張

Vercelは2026年6月25日、TypeScript製AI開発キットAI SDK 7を公開しました。週間1600万ダウンロードを超える同SDKは、あらゆるモデルプロバイダーに対応するエージェント構築の基盤です。今回はエージェント業務の本番運用を見据え、開発・実行・連携・観測・拡張の5領域を強化しました。

開発面では、プロバイダーごとに異なる推論設定をreasoningオプション一行で統一指定できるようになりました。ツールごとにAPIキーなどを安全に渡す型付きツールコンテキストや、ステップ間で変数を共有するランタイムコンテキストも追加されています。これにより、エージェントの細かな制御と再利用が容易になります。

大容量入力の扱いも改善しました。PDFや画像を一度だけアップロードして軽量な参照を渡すuploadFile、スキルを再利用するuploadSkillを新設し、ステートレス推論での重複送信を避けます。さらにツールとUIを分離して描画できるMCP Appsや、ターミナル上でエージェントを試せるTUIパッケージも加わりました。

実行・連携面では、ツール承認やWorkflowAgentによる耐久性、タイムアウト、サンドボックス対応が入りました。CodexClaude Code、OpenCodeなど外部のエージェントハーネスとも統合できます。観測用のテレメトリやライフサイクルイベント、リアルタイム音声動画生成への拡張も提供され、AI SDK 6からはコード変換ツールで自動移行できます。

Ai2、ハイブリッド型の得意トークンを解明

得意な予測

名詞・動詞など内容語に強み
代名詞の参照先など文脈追跡
状態変化の逐次的な把握

苦手な予測

繰り返しトークンで優位消失
閉じ括弧の予測は注意機構が有利
長い反復ほど差が縮小

評価手法

全体lossでは差を見抜けず
トークン種別の絞り込み評価

米Allen Institute for AI(Ai2)は6月25日、言語モデルの新アーキテクチャであるハイブリッド型が、標準的なトランスフォーマーと比べてどの種類のトークンを得意とするかを解明した研究を公開しました。同社の7B規模モデル「Olmo 3」(トランスフォーマー)と「Olmo Hybrid」を、データやトークナイザー、学習手法をそろえたうえで比較し、予測性能の差がほぼ構造の違いだけを反映するよう設計しています。

分析の結果、ハイブリッド型は名詞・動詞・形容詞といった意味を担うトークンや、代名詞が誰を指すかなど文脈を追わなければ予測できないトークンで明確に優れていました。一方で、入力中に既出の語句をそのまま繰り返すだけのトークンでは優位がほぼ消え、ここではトランスフォーマーが強みを発揮します。反復が長くなるほどハイブリッド型の差は縮まり、ゼロに近づきました。

この違いは両者の仕組みに由来します。トランスフォーマーは全層でアテンションを使い、過去の特定トークンを正確に呼び戻せる反面、入力が長くなると計算コストが急増します。ハイブリッド型は一部のアテンション層を残しつつ大半を再帰層に置き換え、固定サイズの圧縮された記憶で逐次処理するため、入力長によらずコストが一定に保たれるのが特徴です。

両モデルに記事やWikipedia、書籍、論文に加えPythonやHTMLなどの構造化テキストを与え、各トークンの予測精度の差を「loss gap」として測定しました。さらにAi2は1Bパラメータのトランスフォーマー、ハイブリッド、純粋な再帰モデルの3種を用い、特定トークンに絞ったフィルタ済みlossが学習初期から構造差を可視化できることも示しています。

研究が示す教訓は2点です。第一に、全トークン平均の単一lossはアーキテクチャ比較には大雑把すぎ、特定能力を試すトークンに絞ることで差が浮かび上がります。第二に、ハイブリッド型の優位は再帰層の状態追跡能力と関連する可能性があり、Ai2はこの知見を今後のハイブリッドモデル開発に生かす方針です。

Claude が有料個人で躍進、ChatGPT 追う

決済データの傾向

1月比で売上75%増
有料個人層が月次で拡大
ChatGPT は依然首位

学習需要の変化

DataCamp で最多検索
個人講座需要が3対1ChatGPT超え
直近30日で需要18倍

AIに課金する米国の消費者の間で、AnthropicClaude が支持を広げています。クレジットカード決済を分析する Indagari のデータによると、Claude有料個人ユーザーと売上は2026年1月比で約75%増加し、月を追って伸びています。同社は企業や開発者向けの Claude Code が中心と見られてきましたが、より幅広い顧客層を獲得しつつあることを示す結果です。

Indagari は約2800万人の米消費者から得た数十億件の匿名化決済を分析しており、絶対的な売上や顧客数までは分からないものの、傾向をつかむには十分な規模だとしています。注目されるのは、3月に Anthropicトランプ政権による大規模監視や自律兵器への自社モデル利用を拒否した後も、伸びが続いている点です。

学習プラットフォーム DataCamp のデータも、消費者人気の高まりを裏付けます。利用者約2000万人を抱える同社では、「Claude」が「AI」を上回り最も検索される語になりました。企業研修では ChatGPT 関連講座が依然優勢な一方、自発的に学ぶ個人の間では Claude 講座の需要が ChatGPT を3対1で上回り、直近30日だけで18倍に急増したといいます。

ただし消費者全体では ChatGPT が依然として圧倒的な存在です。市場調査の Sensor Tower や Indagari のデータでも、Claude は伸びているものの有料ユーザー数では大きく水をあけられています。それでも消費者から得る売上や認知度の面で ClaudeChatGPT に迫り始めているのは確かです。

OpenAIAnthropic がともに株式公開を控えるなか、両社の事業の足腰が注目されます。今月、米政府がサイバーセキュリティ向けの強力なモデル「Mythos 5」「Fable 5」の非米国人による利用を禁じ、Anthropic が一時市場から撤収する事態も起きました。政府との対立が業績に与える影響は不透明ですが、現時点のデータは消費者と企業の双方でユーザーが増え続けていることを示しています。なお Anthropic はコメントを控えています。

Vercel、コーディングAIに製品設計を教える仕組み公開

3つの構成要素

判断を補うエージェントスキル
ルールを自動適用するLinter
証拠を集める週次レビュー

意思決定の資産化

設計判断をコードと同等に管理
安定IDで出典追跡可能
確定事項のみ標準化、判断は人が承認

クラウド開発基盤を手がけるVercelは6月25日、コーディングAIに自社の製品設計判断を教えるシステム「product-design」を公開しました。AIは動くUIを素早く作れる一方、なぜその設計が標準になったのかという理由を理解できません。同社はその文脈をリポジトリ内に資産として蓄え、すべてのAIが参照できるようにしました。

システムは3つの部品で構成されます。第一に、製品やコードの判断材料をAIへ渡すエージェントスキル。第二に、明確なルールを自動で強制するLinter。第三に、SlackFigmaGitHubから証拠を集め、ガイドライン更新案を準備するレビューループです。設計判断をコードと同じようにリポジトリで管理し、変更のたびに照合する点が特徴です。

スキルの中核となるSKILL.mdは、要求をまず5つのモード(設計・実装・レビュー・コピー・堅牢化)に振り分けます。これにより監査が勝手に編集へ広がるのを防ぎます。対象の画面と作業内容に応じて必要な参照だけを読み込み、コンポーネントAPIやアクセシビリティ基準などは元の管理元へ案内する仕組みです。

確実に判定できるルールはLinterに任せます。例えば選択肢が2〜3個の場合はSelectよりラジオボタンを推奨する、入れ子のモーダルを禁止する、といった規則を自動で指摘します。一方、破壊的な操作の対象や影響を正しく言葉にする作業は製品の文脈が要るため、AIスキル側が担当します。各ルールには安定したIDと出典が付き、判断の追跡可能性を確保します。

ガイドラインの更新は週次の証拠収集ワークフローが支えます。収集役が素材を集め、判定役が証拠を検証してレビュー用の資料にまとめますが、自動化はそこで止まります。候補をルールやLintにするか否かは必ず人が決める設計で、新しい標準は製品変更と同様に検証してから採用します。Vercelは、まず同じ指摘が繰り返される一つの画面から始め、判断を人の頭の中ではなくAIが見つけられる場所に置くべきだと提言しています。

元Databricks幹部、AI電力1000分の1へ

新興企業の挑戦

Databricks幹部Rao氏が創業
推論電力を最大1000分の1
従業員50人未満の少数精鋭

新方式の中身

振動子ベースの計算方式
画像生成モデルUn-0を初公開
現状はソフト模擬で動作
今後チップ設計図と推論基盤を構築

Databricks AI責任者のNaveen Rao氏が率いる新興企業Unconventional AIが6月25日、初のAIモデル「Un-0」を公開しました。振動子(オシレーター)ベースの新しい計算アーキテクチャを用い、AI推論にかかる電力を最大で1000分の1に削減できると主張しています。同社は技術詳細をまとめた論文も同時に発表しました。

Un-0は画像生成システムで、Stable DiffusionやOpenAIのGPT Image 1に並ぶ品質の画像を生成できるといいます。注目点は、従来のチップやLLMを支える計算基盤とはまったく異なる振動子ベースの設計で同等の性能を実現したことです。Rao氏はこれを「新しい種類のコンピュータのhello world」と表現しました。

ただし現行のUn-0は、同社の振動子チップソフトウェアで模擬したシミュレーションで動作しています。同社は実チップの設計図を近く公開し、その後はチップを組み込んだ推論基盤を一から構築して、最終的には他事業者と同様に計算資源を提供することを目指します。「プロンプトを受け取り推論を返す処理を、1000分の1の電力で行う」とRao氏は語りました。

従業員50人未満の企業には野心的すぎる目標にも見えますが、AIインフラ投資の規模と推論需要の拡大を踏まえれば課題に見合う数少ない取り組みだとRao氏は考えます。「AIのスケーリングが難しいのはエネルギーが原因で、今後数年で根本的な限界になる」と述べ、電力こそがAIの最大の制約になるとの見方を示しました。

英警察の犯罪予測AI、信頼できない結果と判明

ずさんな運用実態

住民50万人分の機微データ収集
本人同意なき大規模データ統合
透明性を欠く独自モデル開発
ソースコードや変数の記録なし

低すぎる予測精度

窃盗予測の的中率10%未満
精度不足でモデル運用停止
犯罪者管理アプリの的中率3分の1
全国展開へ7500万ポンド投入

英メディアWIREDが2026年6月25日、英国エイボン・サマセット警察とブリストル市が運用してきた犯罪予測システムの内部文書を公開し、一部のリスク採点モデルが信頼できないと判断され密かに廃止されていたことを報じました。同警察は窃盗や行方不明、家庭内暴力など23以上のモデルを構築し、地域住民を機械学習でスコア化していました。

中核となった「シンクファミリー・データベース」は、ブリストル市民約50万人分の警察情報、精神保健記録、十代の妊娠、無料給食の利用状況といった極めて機微なデータを本人の同意なく統合していました。当局は児童保護を目的に「法的根拠」を理由としましたが、外部審査機関は「合法性は正当性と同じではない」と警告しています。

WIREDが入手した3万6000件超の性能データを独立監査会社Eticasが分析したところ、多くのモデルが低い精度しか示していませんでした。窃盗犯を予測するモデルは3年以上にわたり精度10%未満で、高リスクと判定された人の9割以上が実際には罪を犯していませんでした。現在も稼働する犯罪者管理アプリの的中率は3人に1人にとどまります。

問題はモデルの開発過程が文書化されず、ソースコードや変数も見つからなかった点にあります。専門家は「たった一人が数十万人に影響する採点モデルを作っている場合もある」と指摘し、誤検知が子どもや家族に与える影響への懸念を示しました。アプリに登録された男性は自身のデータ削除と制度の全廃を求め、法的措置の準備を進めています。

それでも英政府は7500万ポンドを投じる新組織「PoliceAI」を設立し、AIツールをイングランドとウェールズの43警察に展開する方針です。同事業を率いる警察大学のトップは効果的なAIを「ヘロインのように注入すべき」と述べており、精度と透明性の検証なきまま導入が加速する構図が浮かび上がっています。

Patronus AIが5000万ドル調達、エージェント検証強化

資金調達の概要

シリーズBで5000万ドル調達
累計調達額7000万ドル
Greenfield主導の出資

事業内容

AIエージェント動作検証
デジタル世界モデルで模擬環境
売上は1年で15倍成長
対象はソフト開発と金融

AIエージェント検証を手掛ける米Patronus AIは6月25日、シリーズBで5000万ドルを調達したと発表しました。Greenfield Partnersが主導し、Notable CapitalやLightspeed、Datadog、Samsungが参加しました。累計調達額は7000万ドルに達します。

同社は2023年に元Meta AIの研究者Anand Kannappan氏とRebecca Qian氏が設立したサンフランシスコ拠点の新興企業です。多段階の複雑な作業を自律実行するAIエージェントが、旅行予約や財務分析などを任せられる水準で確実に動くかを、企業やAIラボに代わって検証します。ベンチマークの高得点が実際の業務遂行能力を保証しない点に着目した事業です。

中核となるのがデジタル世界モデルと呼ぶ技術です。ウェブサイトや社内システムを再現した模擬環境を作り、その中で強化学習を使ってエージェントに課題を反復させ、成功には報酬を、誤りには罰則を与えながら性能を評価します。Waymoが自動運転車を希少な危険状況に対し合成環境で訓練した手法になぞらえています。

需要は旺盛で、ほぼすべての主要AIラボと多くの新興企業が顧客になっていると、Notable Capitalのマネージングディレクター、Glenn Solomon氏は述べます。同社の売上は過去1年で15倍に伸びました。エージェントが近道をして課題を正しく完了できない傾向を見抜き、モデルに責任を持たせる点が評価されています。

現在の対象は検証しやすいソフトウェア開発と金融ですが、Kannappan氏はこれは入口に過ぎないと語ります。10時間から10週間といった長時間稼働するエージェントを動かせる環境の構築を目指す方針です。競合は主にAIラボが社内に持つ評価チームで、人手を介さずエージェントの挙動を評価する点で差別化を図ります。

ゲーム映像でAI訓練、評価額23億ドルに

3.2億ドルの調達

評価額23億ドル到達
今回調達額3億2000万ドル
累計開示資金4億5400万ドル
Khosla主導で著名投資家参加

ゲーム発の世界モデル

操作ログ付きゲーム映像が核
ゲームから実機ロボへ汎化
実機調整わずか8分のデータ

AI新興企業General Intuitionは6月25日、評価額23億ドルで3億2000万ドルを調達したと発表しました。今回のラウンドはKhosla Venturesが主導し、ジェフ・ベゾス氏やエリック・シュミット氏、Google DeepMindMITの研究者らも参加しています。累計の開示資金は4億5400万ドルに達しました。

同社の強みは、ゲーム映像に埋め込まれた操作ログです。どのボタンをいつ押したかという行動データを使い、空間と時間を移動する推論能力をモデルに学習させています。映像だけから行動を推測する競合に対し、共同創業者のde Witte氏はこのアプローチが優位だと主張します。

学習基盤となるのが、フレームごとに生成される世界モデルです。社内で「ジム」と呼ばれるこの環境を通じ、エージェントは壁やはしご、影の動きといった現実の物理法則を自ら習得します。同社はこの世界モデルではなく、汎用的なエージェントモデル自体を製品として販売する方針です。

実機への応用も進んでいます。ゲームを100時間連続でプレイするエージェントと同じ「脳」が四足歩行ロボットを動かし、わずか8分の実機データで微調整できたといいます。一方で、こうしたモデルを物理世界で大規模に通用させた例はまだなく、ゲーム映像が安価な近道になるかは賭けの段階です。

調達資金の大半は計算資源の拡充に充てられ、CoreWeaveとの契約のもとで次世代モデルの事前学習に集中します。APIは夏の終わりまでに広く公開する計画です。de Witte氏は人道支援の経験から、AIを人間への危害に使わない方針も明確にしています。

Capital OneがAI研究にチーフサイエンティスト起用

異色の起用

Amazon Alexa AI出身のNatarajan氏
銀行にチーフサイエンティスト新設
1億超の顧客基盤を持つ金融大手

研究組織の構築

AIを科学的規律として位置付け
クラウド全面移行で実験環境整備
目的逆算型の研究手法

成果と評価

内製のエージェント接客を実装
金融AI特許でトップ評価

米金融大手Capital Oneが2026年6月、Amazon音声AI「Alexa」部門を率いたPrem Natarajan氏をチーフサイエンティスト(最高科学責任者)に起用したことが明らかになりました。1億人を超える顧客を抱える銀行が研究職トップを置くのは異例で、AIの最先端が大手テックの汎用基盤から金融など業界特化型へ移りつつあるとの判断が背景にあります。

同社が研究組織を本格構築するのは、AIへの根本的な見方の違いからです。多くの金融機関はAIを既存の大規模言語モデルをAPI経由で組み込む導入対象の技術と捉えています。これに対しCapital Oneは、現実の顧客課題を解くための科学的規律とみなし、まだ存在しない解決策を独自研究で生み出す方針を掲げています。

銀行という業態は精度の要求水準が極めて高く、それが特異な研究環境を生んでいます。例えば不正検知では、カードをタップする一瞬の間に数十億件の取引から異常を見抜く必要があり、わずかな見逃しも顧客に深刻な影響を与えかねません。こうした大規模かつ複雑な制約こそが、大手AIラボに劣らない研究課題をつくり出しているとNatarajan氏は説明します。

研究を支えるのが、約15年前から進めたクラウド全面移行です。米主要銀行で唯一パブリッククラウドに全面移行したことで、レガシーシステムの制約を排し、大規模なモデル学習や継続的な改善を可能にする統合基盤を整えました。研究手法には、提供したい顧客体験から逆算して必要な技術的突破口を特定する「デスティネーション・バック思考」を採用しています。

成果はすでに実用化されています。同社は昨年初め、顧客の指示に基づき実際に行動するエージェント型AIの自動車購入支援ツールを銀行として初めて完全内製で投入しました。外部評価でもAI人材・特許で金融機関首位とされ、上位50金融機関のAI特許の38%を占めるなど、Silicon Valley外では稀な専門性を備えた組織として注目を集めています。

IBMが1nm未満チップ技術を世界初発表

1nm未満の意味

IBMが世界初の技術主張
トランジスタ密度ほぼ2倍
実寸ではなく性能換算

7オングストローム

0.7nmノードと位置づけ
省エネで性能向上を狙う

IBMは2026年6月25日、AIデータセンター向けに「世界初の1ナノメートル未満チップ技術」を開発したと発表しました。新アーキテクチャは爪ほどの大きさのチップ約1000億個のトランジスタを集積でき、前世代のほぼ2倍の密度を実現します。これにより演算性能とエネルギー効率が同時に高まるといいます。

IBMリサーチのディレクター、ジェイ・ガンベッタ氏は事前のメディア説明会で「単なる漸進的な一歩ではなく、意味のある飛躍だ」と述べました。同氏はこの技術を「電力消費を増やさずに計算能力を大きく高める未来を指し示すもの」と表現しています。

ただし「1ナノメートル未満」という表現には注意が必要です。物理的な限界により1ナノメートルより小さい構造を持つチップを安定して量産することは現実的ではなく、IBMは新しい「ナノスタック」構造によって、そうした微細チップが実現できた場合に期待される性能向上を達成できると主張しているにすぎません。

IBMはこの技術を0.7ナノメートルノードで製造したとし、1ナノメートルが10オングストロームに相当することから「7オングストロームノード」と名付けました。もっとも、こうしたノード名は実際のチップ構造の寸法とは無関係です。1970〜80年代のチップは名称の数値と物理寸法が一致していましたが、3ナノメートルや2ナノメートルといった近年の世代では何十年も前からそうではなくなっています。

Google、生徒向け適応型AI学習機能を投入

学習ノートブック

診断クイズで弱点を特定
弱点に応じた小分けレッスン
100超の学習目標で進捗管理
NotebookLMと連携

試験対策と提供範囲

ACT・GRE模試を無料提供
SAT対策に対応
個人アカウントで全世界展開

Googleは6月25日、教育者向け会議ISTE 2026に合わせ、生徒向けの新しいAI学習機能群を発表しました。中心となるのはGeminiアプリの学習ノートブック(study notebooks)で、生徒一人ひとりの学習目標に応じて個別最適化されたレッスンを生成します。同機能は個人アカウント向けに全世界・全言語で順次提供を開始しました。

学習ノートブックの仕組みはまず診断クイズから始まります。生徒が授業のシラバスやノートをアップロードすると、Geminiが習熟度の基準を測り、強みと弱点を特定します。その結果に基づき、弱点を補う短時間のレッスンと練習問題を組み立て、回答状況に応じて内容を自動更新します。

進捗管理にも力点が置かれています。Geminiは学習目標を100以上の具体的な学習項目に分解し、それらをトピックごとにまとめて習得状況を「得意」「重点分野」「未着手」と分類します。専用ダッシュボードが優先度の高いレッスンを推奨するため、生徒は次に何を学ぶべきかを常に把握できます。

標準化試験への対応も拡充します。GoogleThe Princeton Review提携し、今後数週間のうちにGRE・ACTの無料の本番形式模試を提供します。SATには既に対応済みで、ブラジル向けのENEMやJEE、NEETなども順次追加する計画です。受験後はトピック別の成績内訳が示され、重点的に学ぶべき領域が明確になります。

学校向けの展開も進みます。Google Classroomには生徒向けのGeminiが導入され、教師は授業内容に基づいた学習ノートブックを生徒に割り当てられるようになります。Google教師主導という原則を強調し、人と人のつながりを置き換えるのではなく支援する位置づけだと説明しています。学校発行アカウント向けの学習ノートブックも数週間以内に利用可能になる見込みです。

Google、米AI規制で実践的指針を提言

提言の柱

実証に基づく中間路線
過剰規制と無規制の二択を否定
フロンティアAIに安全基準

実装の方針

第三者監査を任意で検証
既存法の更新で対応
児童保護・著作権・雇用が焦点

Googleは6月25日、米国のAI規制に関する白書を公開し、過剰規制と無規制の二択に陥った議論に対し実証に基づく実践的な中間路線を提唱しました。法務最高責任者のケント・ウォーカー氏が発表した提言は、進歩を妨げずに公共の安全を守る枠組みを目指すものです。

白書の中核は、AIを能力に応じて二つに分けて扱う点にあります。最先端のフロンティアAIモデルについては、連邦政府が監督し業界が支える独立組織が安全基準を設定し、任意の独立監査を検証する仕組みを提案しています。これは他の重要産業の管理手法に近く、進歩への影響を抑えつつ機動的に安全を確保する狙いです。

一方、広く普及したAIアプリケーションに対しては、新法の制定よりも既存法の活用と更新で対応すべきだとしています。具体的には児童の安全、著作権、労働力の移行といった社会的・経済的課題を、現行の法律を改めて当てはめる形で扱う方針です。

同社は、バランスの取れた手法であれば進歩を停滞させずに公共を守れると主張しています。経営者やリーダーにとって、今後の米国のAI政策の方向性を占ううえで重要な論点であり、規制動向を見据えた事業判断の材料となりそうです。

Gemini活用で学力低位層が半減した米学区

導入の背景

教員1人当たり180人の添削負担
州AI採点ツールは費用過大
既存Google契約で無償導入

成果と運用

州ルーブリックに沿う個別添削
教員が共有前に内容を検証
最下位層が33%から15%へ改善

米ケンタッキー州の農村部にあるヘンリー郡公立学区は6月25日、Googleの教育向けAI「Gemini for Education」を活用し、州の作文評価で最下位の「ノービス層」の生徒割合を33%から15%へ引き下げたと明らかにしました。同学区のジム・マスターズ教育長が成果を報告したものです。狙いは、人手不足のなかで個別最適化された作文添削を全生徒に届けることにありました。

背景には高校での添削負担の重さがあります。教員1人が平均で180人の生徒を担当しており、授業準備や採点も抱えるなかで、州の評価基準に沿った細やかな添削を一人ひとりに行う時間が足りませんでした。州テストで使われる別社のAI採点ソフトも検討しましたが、同学区には費用が高すぎたといいます。

そこで同学区は、すでに契約していたGoogle for Educationの枠内で追加費用なしGeminiを試すことにしました。カリキュラム専門家やベテラン教員が管理者と協力し、過去に州から受け取った評価との一致を確認しながら精度を検証。Geminiの添削が州の基準と合致するまでテストを重ねたとしています。

運用面では、人の確認を要に据えています。Geminiが州ルーブリックに沿った個別添削の反復作業を担う一方、生徒に返す前には必ず教員が内容を確認する仕組みです。これにより教育の質と学術的基準を保ちつつ、教員は生徒一人ひとりの指導に時間を割けるようになりました。同学区は、AIが批判的思考を損なうのではなく、むしろ引き出す鍵になり得ると総括しています。

Amazon、インドAI基盤に130億ドル追加投資

投資の概要

ムンバイとハイデラバード対象
2030年までの拡張計画

インドAI競争

対印累計480億ドル到達
Microsoftやも巨額投資
ジャシーCEOがモディ首相と会談

Amazonは6月25日、インドのAIおよびクラウド事業を拡大するため、2030年までに130億ドルを追加投資すると発表しました。ジャシーCEOがニューデリーでモディ首相と会談した後の表明で、ムンバイとハイデラバードにあるAWSデータセンター容量増強に充てられます。

今回の投資は、Amazonにとって3年連続となる大型のインド向け表明です。2023年に2030年までの150億ドル投資を打ち出し、2025年12月には350億ドル超を追加。これによりインドへの投資コミットメントは累計480億ドルに達しました。

ただしAmazonは、480億ドルをインド事業全体にどう配分するかは明らかにしていません。技術企業の長期投資は新規インフラだけでなく、設備投資と運営費の双方を含むのが一般的です。

背景には、インドをAI向け計算基盤の一大拠点とみる世界的な投資ラッシュがあります。Microsoftは2029年までに175億ドル、Googleは150億ドルの投資を表明し、Reliance IndustriesやAdani Groupなど国内財閥も巨額を投じています。インド政府も、海外向けサービスを国内データセンターで処理する外資クラウド事業者への税制優遇などで誘致を進めています。

Notionがメールアプリ終了、AIエージェント運用に全面移行

終了の概要

Notion Mailを9月22日終了
Web・デスクトップ・iOSが対象
Skiff買収の遺産が消滅

AIエージェント重視

利用者の過半数が受信箱を開かず
メール処理をエージェントに委任
エージェント運用へ全面移行

ユーザーへの影響

メール履歴はGmailに残存
終了前のデータ保存を推奨

Notionは2026年6月25日、自社のメールクライアント「Notion Mail」を9月22日に終了すると発表しました。Web・デスクトップ・iOSの全環境で受信箱が使えなくなり、2024年2月に買収した暗号化メール企業Skiff由来の事業はこれで実質的に幕を閉じます。同社はXへの投稿でこの方針を明らかにしました。

終了の理由としてNotionが挙げたのは、利用者の行動変化です。同社によると、Notion Mail利用者の過半数が受信箱を一度も開かずにメールを管理しており、AIエージェントに対応業務を委ねる動きが広がっています。「エージェントが高機能になるにつれ、メール業務を任せる利用者が増えた」とし、エージェントによる受信箱運用へ全面的に舵を切ると説明しました。

Notion Mailは2025年4月に公開されたGmailクライアントで、Skiff買収を通じて加わったメンバーが中心となって開発しました。同社は買収から1年以内にSkiffのメールサービスを停止し、@skiff.comのアドレスも廃止しており、今回の決定は一連の撤退の最終段階と位置づけられます。

利用者にとって重要なのはデータの扱いです。Notionによれば大半のデータはGmailに保持され、サポートページは「受信箱が終了しても、メール履歴はGmail内にそのまま残る」と案内しています。ただし終了前に必要なデータを保存しておくことが推奨されており、9月22日までの対応が求められます。

Adobe、AI画質補正のTopazを買収

買収の概要

Topaz Labsを買収
Firefly等に統合
2026年後半に取引完了

狙いと競争

端末上で動く軽量AI技術
映像高画質化とノイズ除去
CanvaやBlackmagicに対抗
ユーザーの囲い込み強化

Adobeは6月25日、AIによる画像動画補正ツールを手がけるTopaz Labsを買収すると発表しました。同社をクリエイティブ事業に組み込み、AIアプリ「Firefly」や画像動画編集スイートにTopazのモデルを統合する計画です。取引は2026年後半に完了する見通しです。

Topaz Labsは20年以上の歴史を持ち、近年は独自のAIモデルを展開してきました。動画の高解像度化を担う「Astra」や画像補正の「Wonder」に加え、大規模な動画AIモデルを一般向けGPU上で動かす技術も開発し、昨年には映像技術でエミー賞を受賞しています。

Adobeはすでに一部のTopazツールをCreative Cloudで提供しており、買収後はTopazの製品を自社サイト経由の単体サービスとしても継続提供します。同社のDeepa Subramaniam氏は、実写映像とAIクリップを組み合わせたいプロが、細部のシャープ化やノイズ低減、古い映像の復元といった用途で活用できると説明しました。

今回の買収の核心は、複雑なAIモデルをデバイス上で直接動かすTopazの専門性にあります。Adobeはこの技術によって、より高速で応答性の高い体験を顧客に届け、先進的なAIを手頃なコストでクリエイターに広げられると見ています。

背景には、画像動画編集分野でCanvaやDaVinci Resolveを擁するBlackmagic Designとの激しい競争があります。AdobeはあらゆるアプリにAIを組み込んでおり、Topazのような新興企業を取り込むことで、ユーザーが他社ソフトへ流れるのを防ぎ、自社エコシステムへの囲い込みを強める狙いです。

Netris、a16zから15M調達

調達と出資元

a16z主導の1500万ドル調達
a16zパートナーが取締役就任
用途はエンジニア採用と機能拡張

技術と実績

ネオクラウド立ち上げ自動化
ハードウェア完全アクセラレーション
世界35超のGPUクラスタで稼働
計約100万GPUを支える基盤

ネットワーク自動化の新興企業Netrisは2026年6月25日、ベンチャー投資大手アンドリーセン・ホロウィッツa16z)から1500万ドルのシリーズAを調達したと明らかにしました。新興のAIクラウド事業者(ネオクラウド)がデータセンターを早く稼働させられるよう、設定や運用を自動化するソフトを提供しています。調達資金はエンジニアと営業の採用、対応ハードウェアの拡充に充てます。

AIブームでデータセンター事業への参入が相次ぐ一方、GPUやスイッチを確保しても設定や運用を整えるには数カ月を要します。GPUが遊休状態にある時間はそのままコストとなるため、立ち上げの速さが収益を左右します。Netrisはスイッチ上で動くソフトと接続プラットフォームで、この準備期間を短縮すると主張しています。

同社のプラットフォームはハードウェア層でサーバーやリソースを分離し、複数顧客への提供(マルチテナンシー)を可能にします。EquinixやAWSGoogleなど大手は自前のエンジニアで対応してきましたが、小規模なネオクラウドにはその余力がありません。NetrisのSaroyan最高経営責任者(CEO)は、AI向けには通信量が膨大なため完全にハードウェアで高速化した仕組みが必要だと説明します。

注目すべきは、この技術にAIを使っていない点です。同社はAIが非決定的で勝手な動作をするため、数千台規模のスイッチ設定変更には不向きだと考え、再現性の高い独自アルゴリズムを採用しています。8年前から開発を続けてきた成果です。

実績も着実に積み上がっています。2年前にデモを見たNvidiaが顧客に同社を推薦したほか、現在は世界35カ所超のGPUクラスタ(計約100万GPU)で稼働中です。利用企業にはLightning AIやFoxconn、Hewlett Packard Enterpriseなどが名を連ね、a16zのパートナーGuido Appenzeller氏が取締役に加わります。

OpenAIが無料ChatGPTの標準モデルを買い物強化で刷新

消費者向け改善

ユーザー意図の理解を向上
買い物・地域推薦を強化
複数条件の指示にも対応
6月25日に無料層へ展開

開発者とAPI

chat-latestエイリアスを更新
本番用はgpt-5.5を推奨
文脈窓40万トークン

OpenAIは6月25日、無料版ChatGPTの標準モデルであるGPT-5.5 Instantを更新しました。買い物や地域のおすすめ、複数条件の指示への対応を強化し、まず有料会員へ、続いて無料ユーザーへと順次展開しています。同社はXで「会話がより楽しくなった」と説明しましたが、具体的なベンチマーク数値は公開していません。

最大の変化はユーザー意図の理解です。旅行の計画や商品比較、近隣店舗の検索といった意思決定支援の場面で、質問の背後にある目的をより的確にくみ取れるようになりました。会話の途中で条件を追加したり反論したりしても、最初の回答に固執せず柔軟に対応する点が改善されています。

商取引や地域情報との連携も深まりました。位置情報を活用して近隣の選択肢を提示し、商品情報や画像を一つのまとまった回答に織り込みます。回答の体裁も定型的な箇条書きから、より温かみのある会話調へと調整されました。

開発者は更新版の挙動をchat-latestというAPIエイリアスから試せます。ただしこれは本番用のgpt-5.5モデルとは別物で、OpenAIは安定運用には引き続きgpt-5.5を推奨しています。今回はあくまでChatGPT側の更新であり、API向けモデル群の新リリースではない点に注意が必要です。

chat-latestの仕様は40万トークンの文脈窓と最大12万8千トークンの出力に対応します。料金は入力100万トークンあたり5ドル、出力30ドルで、キャッシュ入力は0.5ドルと9割引です。静的な指示を先頭に置くプロンプト最適化が促されます。

企業にとっての意味は新しい技術基盤ではなく、標準挙動の改善にあります。意図の推測や文脈の保持が向上すれば、調査や購買判断に使う従業員にとってChatGPTはより信頼できる道具になります。一方でメモリーソース機能は完全な監査証跡を提供しないため、RAGや社内ログのどれを正とするか企業側で定める必要があります。

W杯でAI活用が勝敗を左右、強豪が優位

膨大なデータ解析

1試合1.5億点のデータ計測
ボール内センサーで毎秒500動作記録
Stats Performが世界の分析基盤

格差是正の試み

FIFAが全代表へAIエージェント提供
小国キュラソーがデータで初出場
イングランドはPK分析を5時間に短縮

広がる懸念

資金力によるデータ格差拡大
FIFA公認ツール規制の可能性

米データ・AI企業Stats PerformやFIFAは2026年のワールドカップで、AIを駆使した試合分析を本格導入します。FIFAは1試合あたり約1億5000万点のデータを計測し、ボール内のセンサーは毎秒500回の動きを記録します。AIが選手のスカウトや戦術立案、移籍交渉までを支える時代に入りました。

強豪国はこの技術をいち早く取り込んでいます。イングランド代表は敗退に直結するPK戦の分析にAIを活用し、従来5日かかっていた相手選手の分析を約5時間に短縮しました。かつてリーズで監督を務めたビエルサ氏のスタッフが1チームの分析に約300時間を費やした作業も、いまや自動で処理できるとStats Performのルーシー氏は語ります。

技術は小国にも新たな道を開いています。人口約16万人のキュラソーは、移民の血統をたどる「ディアスポラ追跡」で出場資格のある選手を特定し、史上最小の国としてW杯初出場を果たしました。代表26人のうち島生まれは1人だけで、残りはオランダ生まれだといいます。

一方で、資金力によるデータ格差の拡大が懸念されています。AIツールと運用人材は高額で、すべての国がまかなえるわけではありません。FIFAは格差是正策として、ChatGPT風の操作画面を持つFootball AI Proを全代表に初めて提供し、専門家を抱えなくても次戦相手を3Dで分析できるようにしました。

ただ、この取り組みが社内に開発者やデータ科学者を抱えるイングランド代表との差を埋められるかは不透明です。FIFAは将来的に各国を公認ツールのみに制限する規制の可能性にも言及しており、AIがサッカーの競争環境を左右する役割は今後さらに大きくなりそうです。

Google Finance、初のAndroidアプリ投入

専用アプリ登場

Android向け専用アプリを公開
iOS版は2026年内に投入予定
ウォッチリストや実時間データ集約

AI機能を中核に

AI刷新版が正式版に移行
株価変動をAIが解説する機能
対話型のAIリサーチ機能搭載

投資管理を強化

ポートフォリオ機能を全世界展開
定期配信の市況ブリーフィング

Googleは2026年6月25日、株式情報サービス「Google Finance」初のスマートフォン向け専用アプリAndroid向けに全世界で公開しました。同サービスは20年の歴史を持ちながらこれまでアプリを持たず、今回が初のネイティブアプリ提供となります。iOS版も2026年内の投入を予定しています。

今回の更新では、AIで刷新したWeb版がベータ版を終え正式版へ移行しました。Googleチャットボットがサービスの中核機能に組み込まれ、株価がなぜ動いたかをAIが解説する「key moments」や、対話形式で銘柄を調べられるAIリサーチツールが利用できます。アプリ下部の「Ask」ボタンから資産運用に特化したボットと会話でき、過去の対話履歴も確認できます。

Web版では、利用者の投資ポートフォリオ管理機能も全世界で順次提供を始めました。保有資産を一つのダッシュボードに集約し、配分や運用成績の分析を表示します。CSVやPDFのアップロード、スクリーンショットの貼り付け、あるいは保有内容を文章で説明するだけでも作成でき、「現在のポートフォリオで不足しているセクターは」といった質問にAIが答えます。

さらに、利用者が指定したテーマを定期的に配信する新機能も登場しました。「主要暗号資産の夜間の値動きを分析した寄り付き前ブリーフィングを毎日送って」といった指示を出すと、Google Financeが背景で情報を収集し、指定の頻度でカスタムの市況レポートを届けます。通知はGoogleアプリ経由で受け取れます。

アプリにはまず新体験の中核機能が搭載され、今後数カ月でライブ決算説明会やポートフォリオ、定期配信機能などWeb版の機能を順次取り込む計画です。経営者エンジニアにとって、AIが市場の文脈を補足する金融情報サービスがモバイルでも常時手元に置ける点は、日々の意思決定の速度を左右する変化と言えます。

MIT、好奇心駆動の基礎科学を擁護

科学への投資訴え

コーンブルース学長が公的投資を要請
基礎科学は経済の源泉
投資は賭けではないと強調

若手研究者の挑戦

チップ創薬加速
核融合の商用化へ前進
AIの文脈劣化解決を研究

資金不安への懸念

NIH・NSFの資金不安定
国際研究者の移民不確実性

米マサチューセッツ工科大学(MIT)は6月25日、科学誌サイエンティフィック・アメリカンが16日に公開した特集「若き米国の科学者2026」を取り上げ、教員らが好奇心駆動の科学の重要性を訴えたと報じました。同特集は若手研究者を紹介し、不確実な時代でも科学に献身する理由を語る内容です。サリー・コーンブルース学長は、発見は「米国のDNAの一部」であり、必要なのは米国科学への公的投資の再強化だと強調しました。

学長は「米国科学への投資は賭けではない。歴史を振り返れば、その恩恵に疑いの余地はない」と述べています。一方で、技術的には最高にわくわくする時期である半面、科学予算の継続性に人々がこれほど不安を感じた状況はかつてないとも指摘しました。ロバート・ランガー教授も、過去50年から100年の米国科学の成果は目覚ましいと評価しています。

特集では若手の具体的な研究も光ります。客員研究者のアリス・スタントン氏は人間の脳の3D組織モデル「miBrain」を開発し、アルツハイマー病やパーキンソン病の個別化治療を目指しています。コモンウェルス・フュージョン・システムズCEOのボブ・マンガード氏は核融合発電の商用化に取り組み、大学院生のアレックス・ジャン氏はAI言語モデルが情報生成とともに劣化する「文脈劣化(context rot)」の解決に挑んでいます。

ただし、研究者の多くが連邦政府の資金に懸念を示しました。CRISPR遺伝子編集技術を開発したフェン・ジャン教授は、NIH(国立衛生研究所)やNSF(全米科学財団)の資金の不安定さ、国際研究者の移民の不確実性、専門知識への信頼の低下を挙げ、「保護を怠れば、米国は急速に優位を失う」と警告しています。

それでも楽観を語る声もあります。ランガー教授は「米国のイノベーションの歴史を見れば、世界大戦や恐慌など幾多の挫折を経ても、人々は学び、発見し、発明を続けてきた」と述べ、現状を最悪の時期ではないと語りました。経営者やリーダーにとって、基礎研究への継続投資が10年後20年後の経済的インパクトを左右するという視点は示唆に富みます。

Google Play、英で手数料下げ外部課金解禁

新ビジネスモデル

6月30日から手数料引き下げ
独自課金システムの併用可
外部サイト誘導を解禁

優遇策と背景

9月30日から追加割引
登録アプリストア制度を年内開始
CMAの懸念に対応
開発者収益99億ポンド超

Googleは6月25日、アプリ配信サービス「Google Play」について、英国を最初の対象市場の一つとしてビジネスモデルを刷新すると発表しました。6月30日から開発者向けのサービス手数料を引き下げるとともに、Google Play以外の独自課金システムを併用できるようにします。デジタルコンテンツの購入については、利用者を開発者自身のウェブサイトへ誘導することも認めます。

今回の変更は、英競争・市場庁(CMA)が示してきた懸念に対応するものです。Googleはこれまで提供してきた選択肢の拡充を進めると同時に、規制当局の指摘を踏まえた制度設計に踏み込みました。同社によると、現在Android英国開発者に対し99億ポンド超の収益をもたらしているといいます。

開発者にはさらに低い手数料率を得る道も用意されます。刷新した「Games Level Up」プログラムや「Apps Experience」プログラムに参加すれば、英国では9月30日から追加の割引が適用されます。手数料負担を抑えたい開発者にとって、参加を検討する材料となりそうです。

年内には、業界で初めてとなる「登録アプリストア(Registered App Stores)」プログラムも始まります。これは一定の安全基準を満たしたアプリストアについて、インストール手順を簡素化する仕組みです。Androidの開放性をめぐる議論が続くなか、Googleは選択肢の拡大と安全性の両立を図る構えです。

Google、Gemini音声操作の新活用100例公開

スピーカー発売と連動

Google Home Speaker発売
Gemini for Home搭載
新活用例100種を公開

有料プランで機能拡張

月10ドルのPremium
カメラ映像検索に対応
複数家電の一括操作

Googleは6月25日、音声アシスタントGemini for Home」の新たな活用法100例を公式ブログで公開しました。スマートスピーカー「Google Home Speaker」の正式発売に合わせた発表で、照明や家電の制御、買い物リスト管理、料理や育児の相談まで、家庭での幅広い使い方を提示しています。

今回の活用例は、生成AIならではの柔軟な自然言語理解を前面に押し出している点が特徴です。「コーヒーメーカーをオフ、いや、やっぱりオンにして」といった言い直しや、「寝室以外の照明を全部つけて」のような条件付き指示にも対応します。タイマー設定と掃除機の起動、音楽再生を一度の発話でまとめて行う複数操作も可能です。

上位プラン「Google Home Premium」は月額10ドルから提供されます。加入者はカメラ映像をAIに尋ねて検索でき、「昨夜の物音は動物だったか」「白いホンダがいつ車庫を出たか」といった質問に、録画を遡らずに回答を得られます。家族の顔を登録しておけば、ドアベル履歴から来訪者の到着時刻も確認できます。

音声操作は家庭領域でのAI普及を測る重要な接点であり、Googleハードウェア発売と具体的な利用シーンの提示を組み合わせ、Geminiの日常浸透を狙っています。経営者エンジニアにとっては、対話型AIが定型コマンドから文脈理解へ移行する流れを示す事例として注目に値します。

Google、教師主導のAI教育戦略を発表し連携拡充

教師主導のAI

Classroomで教師主導AI拡張
Guided Learning導入
学習進捗の可視化と分析
Classroom連携アプリ提供

支援と資金

全米600万教員へAI研修
3つの非営利へ資金提供
評価改革と人材育成を後押し

Googleは6月25日、教育向け年次カンファレンス「ISTE 2026」で、教師が主導権を握るAI教育戦略を発表しました。学習科学に基づくツール群をGoogle Classroomに組み込み、生徒一人ひとりに合わせた指導を支援しつつ、データの安全性を保つ狙いです。同時に慈善部門のGoogle.orgが、3つの長期パートナーへの新たな資金提供も明らかにしました。

中核となるのが教師主導のAI機能の拡張です。今後数カ月のうちに、対話型学習のGuided Learning、試験対策のスタディノートブック、教材を教材化するNotebookLMがClassroomに順次導入されます。教師は授業の教材を選んで活動を作成でき、生徒の取り組み状況を個人・クラス単位で把握して指導に生かせます。

教師の文脈を理解させる仕組みも強化します。本日提供を開始したClassroom連携アプリGemini上で課題や成績、教材を安全に参照し、進捗分析や活動案の作成を助けます。さらに今後、外部のEdTechがClassroomの情報を安全に参照できるMCPサーバーを公開し、日々の業務を一元化しながら新しい指導法を可能にする方針です。

教師の活用を後押しする取り組みも広げます。GoogleはISTE+ASCDと連携した「Google AI Educator Series」を通じ、全米600万人教員すべてにAI研修を届けることを目指しています。AIは強力な道具である一方、教師と生徒の人間的なつながりこそが学びの核心だと同社は強調します。

資金面では、Google.orgがISTE会場で3団体への支援を表明しました。aiEDUは高ニーズなK-12学区とAI準備戦略を共同開発し、ISTEはAIを活用した評価の実地調査やサミットを、Renaissance Philanthropyは評価刷新の取り組み「Reimagining Assessment」を進めます。教師のAIリテラシー投資し、学びの未来を担う教育者を支える構えです。

Google、ウクライナ就労支援AIに5億円超を拠出

助成の概要

Google.orgが500万ドルを助成
AI就労基盤Obriiを拡張
復興会議で発表

Obriiの機能

スキルと地域で求人を自動マッチング
学習機会の推奨と新卒支援
雇用契約のデジタル管理

今後の目標

2027年末までに登録500万人
10万人の就職を支援

Googleは6月25日、ポーランドのグダニスクで開かれたウクライナ復興会議で、同社の慈善部門Google.orgが500万ドルを助成し、AIを活用した就労支援基盤「Obrii」を拡張すると発表しました。Obriiはウクライナ経済省が開発し、同国のデジタル行政アプリ「Diia」と連携して、求職者が資格や職歴を一元管理できる仕組みです。

助成によってObriiはAIで複数の機能を強化します。求職者のスキルと地域に基づいて求人を自動でマッチングし、人手が不足する分野の研修を推奨します。新たな取り組みとして学生や新卒者の初就職を後押しし、雇用契約の締結や管理もデジタルで完結できるようにします。

ウクライナのソボレフ経済相は「これは単なる技術への投資ではなく、人々とウクライナの経済復興への投資だ」と述べました。Googleデジタル労働市場の基盤整備を支援するのは同社史上初めてで、求職者の研修・就職と企業の人材確保を加速させる狙いがあります。

このプロジェクトは2027年末までに登録ユーザー500万人、就職支援10万人を目標に掲げています。Googleは侵攻初期からウクライナ政府と連携してきており、今回の助成はその継続的な復興支援の一環と位置づけられます。

Google社員が実践するGeminiの子育て活用5選

学習と予定管理

学校カリキュラムでクイズ自動生成
進学先や専攻の検討支援
PDF日程表からカレンダー登録
Gmail・カレンダー連携で予定整理

食事と外出・遊び

週間献立と買い物リスト作成
離乳食の安全な進め方を計画
子連れ旅行の行程表作成
Nano Bananaで塗り絵生成

Googleは6月25日、自社の親世代の社員がAIアシスタントGeminiを日々の子育てにどう使っているかを紹介するブログを公開しました。執筆者の社員が、生後9カ月の娘を連れた旅行計画をGeminiに任せた体験をきっかけに、社内の親たちへ活用法を募った内容です。育児の精神的な負担を技術で肩代わりする実例が並びます。

学習面では、11歳の子の試験対策に学校のカリキュラムを読み込ませ、クイズを自動生成する使い方が挙がりました。Geminiは答えを示すだけでなく段階的に考えさせる誘導型の問いかけができる点が評価されています。皮膚科医を目指す娘の進学先や専攻の検討に使う例もありました。

予定管理では、PDFのスポーツ日程表から自分の子のチームの試合だけを抽出し、数クリックでカレンダーに登録した事例が紹介されました。Gmailやカレンダー、Keep、Tasksとの連携を生かし、学校や保護者からのメールを基に予定やToDoを自動でまとめる活用も目立ちます。発達障害のある子向けに、療育や週末の視覚的スケジュールを作る使い方もありました。

暮らしの場面では、週間の献立や買い物リストの作成、小児科医の助言と合わせた離乳食計画づくりが挙がりました。旅行では子ども向けのイベントや年齢に合った活動を探す用途が人気で、近隣図書館の催しや開館時間の一覧化にも使われています。

最も多かったのは、画像生成機能Nano Bananaを使った遊びの創出でした。家族向けボードゲームのカードを小学1年生の読解レベルに作り直したり、長距離ドライブ用のクイズを作ったりと、子どもを楽しませる工夫に広がっています。

GoogleがDemand Gen強化、Geminiで広告最適化

動画広告の拡充

縦横比変換の選択肢拡大
全画面でのコンバージョン獲得
アスペクト比の自動変換対応

計測とAI支援

Geminiによる素材最適化提案
ウェブからアプリの新規獲得計測
アプリインストール効果の可視化

Googleは2026年6月25日、YouTube向け広告手法「Demand Gen」の機能拡張を発表しました。動画の縦横比変換の選択肢追加、Geminiによる広告素材の最適化提案、ウェブからアプリへの新規獲得計測という3点が柱です。経営者やマーケティング担当者が、より効率的にYouTube上で成果を伸ばすための更新となります。

今回のアップデートでは、動画素材のアスペクト比変換が広がります。縦型から正方形、縦型から横型、正方形から横型への変換に対応し、あらゆる画面サイズに合わせて広告を最適化できるようになります。これにより、デバイスを問わずコンバージョン獲得の機会を広げられる点が特徴です。

素材選びの場面では、Geminiが自動で最適化案を提示します。Demand Genキャンペーン向けに画像動画を選定する際、YouTube向けにどう改善すべきかをAIが推奨する仕組みです。広告クリエイティブの判断を、AIが後押しする形になります。

計測面では、ウェブからアプリへの新規ユーザー獲得を可視化する機能が加わりました。Demand Genキャンペーンがアプリインストールを通じてどれだけ新規ユーザーを獲得したかを把握でき、投資全体の価値を見渡せます。Googleが引用したMeasuredの調査では、YouTube上の増分コンバージョンの72%が新規顧客によるものとされており、新規獲得の計測強化はこうした傾向を踏まえた動きと言えるでしょう。

MetaがFacebook向けAI運用アプリを復活

AI助手が中核

AI Assistantを中核搭載
成果分析と改善提案を提示
重要コメント抽出と返信下書き

提供状況

一部クリエイターテスト中
早期利用は順番待ち登録
2023年に旧版を一度終了

Metaは6月25日、ページ運営ツール「Facebook Creator Studio」を、独立したAIコンパニオンアプリとして刷新し復活させたと発表しました。クリエイターが視聴者とつながり、Facebookでの成長手順を把握しやすくすることを狙いとしています。

新アプリの中核はAI Creator Assistantです。利用者はチャットボットに成果トラッキングの分析を求めたり、エンゲージメント向上に向けた個別の推奨を受け取ったりできます。投稿改善の次の一手を示す位置づけです。

このアシスタントは、視聴者が残した「最も重要なコメント」を見つけ出し、利用者自身の語り口で返信の下書きを即座に作成する機能も備えます。コメント対応にかかる手間を減らす狙いがあります。

提供はまだ限定的で、Metaは現在「一部のクリエイター」を対象にテスト中です。全体公開の時期は明らかにされていませんが、Facebookクリエイターは早期アクセス用の順番待ちに登録できます。旧Creator Studioは2023年に終了し、より包括的なBusiness Suiteへ集約されていましたが、今回AIを軸に再投入された形です。

Googleが転職支援AIツール3種を紹介

3つのAIツール

職種探しのCareer Dreamer
応募書類作成のNotebookLM
面接練習のGemini Live

求職活動の効率化

求職プロセス全体を簡素化
興味と経験から職種を発想
履歴書と志望動機書を推敲
面接の即時フィードバック取得

Googleは6月25日、求職活動を支援する同社の生成AIツール3種を自社ブログで紹介しました。職種探しからの応募書類作成、面接準備までの一連の流れを、Career DreamerNotebookLMGemini Liveで効率化できると説明しています。煩雑になりがちな転職活動を、複数ツールの組み合わせで簡素化する狙いです。

最初の段階となる応募先探しでは、Career Dreamerを使います。自分の興味や経験をもとに、目指せる多様な職種をブレインストーミングできるツールです。求職活動の出発点となる「応募する価値のある仕事」を見つける手助けをします。

次の応募書類づくりでは、NotebookLMが履歴書や志望動機書の推敲を支援します。過去の経験を一貫した物語に整理し、採用担当者に響く形に練り上げることで、多数の応募者の中で目立つ材料を作れるとしています。

面接対策ではGemini Liveを活用します。想定質問への回答を練習し、自分の受け答えに対する即時フィードバックを求められる点が特徴です。対面でのやり取りを成功させる準備として位置づけられています。経営者エンジニアにとっても、採用される側・する側の双方でAI活用の参考になりそうです。