Anthropic、外部評価者に社員並みアクセス

社内常駐の評価

METRチームの社内常駐
機器・内部系への権限

業界の安全策

競合首脳も構想に賛同
OpenAIの計画は未公表

残る監督課題

利益相反への懸念
政府規制を求める声

AI開発企業Anthropicは2026年10月15日、非営利の評価機関METRのチームを社内に受け入れ、ハードウェアや内部システムに社員並みのアクセスを認めたと発表しました。高度化するClaudeなどのモデルが経済やサイバー安全、人類に及ぼすリスクを、機密を守りながら第三者が継続的に検証するためです。

METRはOpenAI、Anthropic、Google、Metaなど主要AI研究所との評価実績を持ちます。今回の常駐体制は、外部評価者の役割を広げるという研究所側の約束を具体化する最初の一歩です。

Anthropicのダリオ・アモデイ最高経営責任者は9月、主要研究所に外部監査人を常駐させる案を提唱しました。OpenAIのサム・アルトマン氏とSpaceXのイーロン・マスク氏も賛同しましたが、OpenAIは評価者受け入れの計画をまだ示していません。

Anthropicは、モデルの能力向上に伴い、より強固な安全策と難度の高いリスク評価が必要になったと説明します。一方、安全関連情報の全面公開は悪意ある利用者や競合を利する恐れがあるため、銀行の常駐検査官に似た監督方式を採ります。

ただし、企業が受け入れる外部評価者には利益相反が生じ得るとの批判があります。会計業界の問題を引き合いに政府規制の強化を求める声もあり、評価機関の独立性をどう担保するかが今後の焦点です。

MIT、結晶の立体構造を読むAIを開発

構造と言語を統合

原子配置と説明文の統合
対照学習による意味対応
合成説明文で偏りを補完

材料探索の性能

文章型モデル超えの探索
自然言語による材料検索
電池材料候補の抽出

広がる活用範囲

物性・加工・用途の記述
幅広い結晶材料への展開

MITの研究チームは2026年10月18日、結晶材料の3次元原子構造と自然言語を結び付けるマルチモーダルAIを発表しました。実験論文と第一原理計算データベースから構造、物性、加工上の注意、用途を一体化した説明文を作り、文章だけで学ぶモデルより有望な材料設計を見つけやすくしました。成果はNature Communicationsに掲載されました。

地球上の固体材料の90%以上は、高度に秩序化された原子構造を持つ結晶材料です。しかし、構造情報は文章とは異なる専用形式で保存され、実験文献も人気の高い一部の結晶群に偏るため、従来の大規模言語モデルは立体的な形状を捉えにくく、提案も既知材料に偏りがちでした。

研究チームは、似た構造と説明、異なる構造と説明を比較する対照学習で、原子配列や結合パターンと文章表現を対応付けました。AIが生成した説明文を含むデータで訓練した版は、論文本文だけの版と異なり、幾何構造と文章の対応を学び、機能予測も改善しました。

利用者は求める物性を自然言語で入力し、条件に合う結晶材料を検索できます。全固体リチウムイオン電池用の電解質を尋ねた試験では、上位候補に別の研究で有望と確認済みの材料が含まれ、基準モデルを上回る探索性能を示しました。

研究者は、さまざまな結晶材料に適用し、材料科学者の探索を加速できるとみています。タンパク質の構造と機能を結び付けたAlphaFoldになぞらえ、原子構造から材料の特性や性能を理解する基盤としての活用を期待しています。

Disney、破産のCharacter.AI社員60人以上を採用へ

人材移籍の条件

60人以上への採用提案
年6000万ドルの報酬
大多数が提案を受諾

資産取得の計画

一部資産を2000万ドル
より高い入札の余地

破綻の背景

高コスト構造
訴訟・規制対応の重荷

Disneyは2026年10月、破産申請した対話型AI新興企業Character.AIの従業員少なくとも60人に採用を提案しました。法的提出書類によると、対象は同社人員の過半を占め、年間報酬総額は推定6000万ドルです。Disneyは一部資産も取得し、経営破綻後の雇用を引き継ぎながらAI人材を取り込む計画です。

Character.AIの前最高経営責任者カランディープ・アナンド氏は最近、Disney初の最高技術責任者に就任しました。同社はこれに先立ち、Disneyが一部資産を2000万ドルで取得することに合意したと説明していました。

採用を提示されたCharacter.AI従業員の「大多数」は、すでにDisneyの提案を受諾しました。ただし今回の取引は基準となる先行入札であり、別の企業がより高い条件を提示する余地が残ります。

Character.AIは大規模で活発な利用者基盤を持つ一方、高い運営コストに事業を圧迫されました。法的提出書類は、訴訟に伴う潜在的な負債と規制当局への対応も経営の重荷だったとしています。

同社は、14歳の少年がチャットボットに執着した後に自死したとして母親から提訴されています。子どもの安全を巡る政府調査にも直面しており、Disneyによる雇用と資産取得はこうしたリスクを抱える企業の破産手続きの中で進みます。

Anthropic、株式5%を公益基金へ

拡大連動の株式拠出

株式5%の拠出
評価額50%増で2%追加
完全子会社LLC方式

柔軟な公益支援

非営利団体への大型寄付
特定層への直接給付
労働市場影響への対応

既存制度との合算

公益向け株式約20%
従業員の約半数が参加

Anthropicは2026年10月18日、社会的利益を支える新組織「Anthropic Public Benefit Fund」を設け、株主承認を条件に自社株の5%を拠出すると発表しました。企業価値が基準から50%上がるごとに、取締役会の裁量で2%を追加できる仕組みとし、会社の成長を公益資金の拡大につなげます。

基金はAnthropicが全額出資するLLC(有限責任会社)として設立し、501(c)(3)などの非営利法人よりも寄付手法を柔軟に選べる設計です。保有するAnthropic株は、米国内外のロビー活動や政治献金には使わないと明記しています。

使途には、従来型の非営利団体への大型寄付や、特定の人々への直接給付を例示しました。AIは大きな経済価値を生む一方で労働者に不安定さをもたらし得るため、既に約束した2億ドルの労働市場への影響の調査・対応に加え、基金でより大胆な対応を検討します。

創業者は保有株の80%を寄付すると誓約し、従業員向けの株式寄付マッチ制度には約半数が参加しています。今回分を合わせると株式の約20%が公益目的に充てられ、評価額の節目に応じてさらに増える可能性がありますが、基金の運営体制と具体的な評価額基準は今後数カ月で公表する予定です。

Metaの成人向けAI、制作者が規制差を批判

Meta方針への疑問

Museの性的会話容認
Instagram投稿制限
成人限定アプリの運用
人間とAIの扱いの差

AI利用への懸念

学習データの透明性
出演者への対価
人間の仕事代替リスク

Metaが成人限定AIエージェント「Muse」で成人との露骨な性的テキスト会話を認める一方、Instagramでは性的表現を含む成人コンテンツ制作者のアカウントや投稿を制限しているとして、OnlyFansの制作者らが方針の不整合を批判しています。Metaは、18歳以上限定の個別AI会話と、SNS上でのサービス宣伝は性質が異なると説明しました。

Museはカレンダーやメールなどの個人データにアクセスし、予定管理を支援する常時稼働型のAIエージェントです。Metaの配信網を背景に公開初月で数百万人が試し、成人ユーザーには露骨な文章を生成しますが、画像や動画は生成しません。

制作者のVanniall氏は、自身を模した精巧なディープフェイクの削除に苦労する一方、10万人超のフォロワーを持つInstagramアカウントも閲覧制限を受けています。AIが人間より広い表現を許されているとして、Metaが自社AIから利益を得る運用は不公平だと訴えました。

制作者のJiz Lee氏は、Museの学習方法やデータ提供者への対価が不透明だと指摘しました。成人コンテンツ企業では契約書にAI利用方針を明記する動きが始まり、出演者のデータが無断で学習に使われることへの警戒が強まっています。

Tony Genius氏は、完全なAI生成ポルノが人間の出演者を代替する懸念を示す一方、動画の切り抜きなど販促業務でのAI活用は評価しています。自身のAI版を企業と共同制作する可能性にも言及し、人間の制作者が収益から排除されず、人格や真正性を価値として保てる仕組みを求めました。

データセンター業界、学校教材と見学会を拡大

学校広報の実態

児童向け物語教材
塗り絵や科学実験
11社・団体以上の見学会
就業機会の紹介

反発と批判

大規模建設への反発
環境・生活面の懸念
企業宣伝との批判
子どもの判断力を懸念

データセンター企業や業界団体は2025年以降、米国各地の学校で見学会や子ども向け教材の提供を広げています。WIREDの公開情報調査では少なくとも11社・団体が生徒向け見学会を開き、業界の役割や職種を紹介しました。大規模施設の建設と電力消費への反発が強まるなか、次世代人材への訴求と地域社会の理解獲得を図る動きです。

非営利団体7x24 Exchange Internationalは、データセンターを紹介する児童向け物語や塗り絵、科学実験などを学校向けに推奨しています。同団体が設けた「国際データセンターの日」では、高校生向けのクロスワードや職業訓練情報も用意し、学校管理者への提案を呼びかけています。

業界団体AFCOMの支部は2026年5月、バージニア州ラウドン郡の37校に通う小学1年生3100人へ工作キットと業界の地域経済効果を記したカードを配布しました。学校側によると、Sabeyなどの施設見学には講演、模擬面接、インターンシップの機会も伴い、建設や工学を志す生徒向けの訪問もあります。

一方、夏に約1万人を対象としたPew Research Centerの調査では、約半数がデータセンターを環境と生活の質にとって「主に悪い」と回答しました。施設が学校に近い地域では否定的な感情が強まり、全米で建設への反対運動も起きています。

教育政策研究者のアレックス・モルナー氏は、イメージ問題を抱える産業が学校で自らの物語を伝える手法は、たばこや石油・ガスなどでも長年使われてきたと指摘します。子どもは別の情報を得て批判的に判断する力が十分ではなく、学校区や地域社会が企業の影響から守るべきだと主張しています。

Uber配達ロボ妨害で女性逮捕、雇用巡り抗議

事件の経緯

ロボの進路を封鎖
移動要請を拒否
秩序を乱す行為で訴追
事件動画に注目集中

背景と論点

市中心部で普及
配達員の雇用懸念
自動化への反発拡大

米フィラデルフィアで、キャロリン・マービン氏がUberの配達ロボットの進路をふさぎ、警察の移動要請を拒んだとして逮捕された事件が10月18日に報じられました。本人は、ロボットが人間の配達員の仕事を奪うと考え、見かけるたびに前へ立って進行を阻んでいたと地元テレビに説明しており、自動化と雇用を巡る対立が法執行に至った事例です。

警察は現場に出動し、マービン氏にロボットの進路から離れるよう求めました。拒否したため手錠をかけて逮捕し、公共の秩序を乱す行為に当たるとして訴追しました。

一連のやり取りは動画に収められ、幅広いメディアの注目を集めています。記事によると、配達ロボットはフィラデルフィア中心部で日常的に見られるようになり、その普及とともに反発も起きています。

反発は今回に限りません。今年には市中心部で別のUber Eats配達ロボットが蹴り倒される出来事もありました。ロボタクシーやAIエージェントを含む自律システムが雇用、とりわけ技能水準が比較的低い労働者の仕事に及ぼす影響への懸念が広がっています。