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Anthropicの共同創業者兼CEOであるDario Amodei氏は2026年6月10日、「Policy on the AI Exponential」と題する論考を公表し、フロンティアAIモデルに対して米連邦航空局(FAA)と同様の規制体制を導入すべきだと主張しました。同社は同日、高度AIフレームワークと経済政策フレームワークの2つの政策ロードマップも公開しています。
高度AIフレームワークでは、10の25乗FLOPS以上の計算資源で訓練されたモデル、またはAI売上5億ドル超・研究開発費10億ドル超の企業に対し、第三者による安全性テストを義務づける案を提示しています。生物兵器・サイバーセキュリティ・自律性のリスクが認められた場合、政府がモデルの公開を差し止める法的権限を持つべきだとしました。企業にとっては、特定ベンダーのモデルが突然利用不能になるリスクに備え、マルチモデルアーキテクチャの構築が急務となります。
経済政策フレームワークでは、AIが「労働の汎用的代替」として機能する未来を正面から認め、3億5,000万ドルの資金拠出を表明しました。内訳は経済未来研究基金に2億ドル、全米フェローシッププログラムに1億5,000万ドルです。賃金保険やユニバーサル・ベーシック・インカムなどの政策も検討対象に含まれています。
一方、ワシントンではAI規制をめぐる政治的混乱が続いています。Trump大統領は5月20日にフロンティアAIモデルの公開前審査を義務づける大統領令への署名を予告しましたが、Elon Musk氏やDavid Sacks氏のロビイングで翌日撤回。その後、Bessent財務長官の働きかけにより6月2日に審査期間を最大30日に短縮した修正版に署名するという二転三転を見せました。
2026年中間選挙では、AI規制が新たな争点になる可能性も指摘されています。テック企業CEOが就任式でTrump氏を支持した光景と、日常生活へのAI浸透との因果関係を有権者が結びつけやすくなっているためです。AI業界の政治資金の流れを追跡するプロジェクト「Tech Influence Watch」も始動しており、企業のAI戦略は技術的判断だけでなく、規制・政治リスクの織り込みが不可欠な局面に入っています。