AIへの懸念、米国民の半数が表明 私的・創造的分野への利用に反対
AI利用への意識
日常生活でのAI利用に50%が懸念
2021年以降、懸念を示す層が大幅増加
61%がAIの利用方法に対する規制強化を要望
私生活へのAI介入
デート・マッチングへのAI利用はわずか18%が容認
宗教や恋愛など個人的な助言を強く拒否
大規模データ解析や科学研究への応用は容認
主な懸念事項
創造性や人間関係形成への負の影響
誤情報の拡散が2番目に大きな懸念
AI生成物の識別能力に半数以上が不安
出典:The Verge
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米国のAI利用に対する国民の意識は、期待よりも懸念が上回っていることが、Pew Research Centerの最新調査で明らかになりました。回答者の50%が日常生活でのAI利用に不安を感じており、特に恋愛や宗教、人間関係など、極めて個人的な領域へのAIの介入を強く拒否する傾向が示されています。
この調査は、AIに対する国民の受容度が分野によって大きく異なることを示唆します。天気予報や疾病治療といった大規模データ分析に基づいた応用は容認される一方で、デートやマッチングへのAIの関与を望むのはわずか18%に留まります。感情や倫理に関わるデリケートな問題へのAI利用には、強い拒否感が存在します。
懸念の核心は、AIが人間の創造性や対人関係の構築能力を損なうという危機感です。また、誤情報の拡散も主要な懸念事項として挙げられています。特筆すべきは、新技術に寛容と思われがちな30歳未満の若年層が、高齢者層よりもAIによる能力低下を強く懸念している点です。
全体として、アメリカ人の61%が日常におけるAIの利用方法について、より強いコントロール権を求めています。しかし、半数以上が「ほとんどコントロールできていない」と感じています。AI技術を市場に展開する企業は、この市民の懸念とコントロールへの欲求を理解し、倫理的な利用と透明性の確保が急務となります。