Nvidia、Intelに50億ドル出資 AI半導体で共同開発へ
詳細を読む
AI半導体最大手のNvidiaは18日、米Intelに50億ドルを出資し戦略的提携を結ぶと発表しました。両社はデータセンターとPC向けの次世代半導体を共同開発します。AI市場の優位性を固めたいNvidiaと、巻き返しを図るIntelの思惑が一致した形で、業界の競争環境に大きな影響を与えそうです。
データセンター向けでは、IntelがNvidiaのAI基盤に最適化したx86系CPUを製造します。両社のチップはNvidia独自の高速技術「NVLink」で接続。AIの膨大な処理に必要なチップ間のデータ転送を高速化し、大規模モデルの学習や推論を効率化します。この協力が企業のAI導入を加速させるかもしれません。
PC市場向けには、Intelのx86技術とNvidiaの高性能GPU「RTX」のチップレットを統合した新しいSoCを開発します。これにより、従来にない処理能力を持つ統合型ノートPCが生まれると期待されています。NvidiaのフアンCEOは年間1.5億台のノートPC市場への進出に意欲を示しています。
近年、AI半導体開発で後れを取っていたIntelにとって、今回の提携は大きな転機です。Nvidiaとの協業は、AI市場でのシェア回復と競合AMDに対抗する足がかりとなります。発表を受けIntelの株価は一時30%以上急騰し、市場の高い期待感を映し出しました。
一方、Nvidiaのジェンスン・フアンCEOは、提携が年間「250億ドルから500億ドル規模の事業機会」を生むと試算。IntelのCPU技術やエコシステムを活用し、自社のAIプラットフォームをさらに拡大する狙いです。フアンCEOはこの投資を「素晴らしいものになる」と強調しました。
今回の発表では、Intelの半導体受託製造(ファウンドリ)をNvidiaが利用するかは明言されませんでした。Nvidiaは現在、製造の大部分を台湾のTSMCに依存しています。両社はまず製品協業を優先し、ファウンドリ活用は将来検討するとしており、今後の動向が注目されます。