リンカーン・センター、芸術と技術の融合を探る新フェロー発表
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ニューヨークのリンカーン舞台芸術センターは、第2期「コライダー・フェローシップ」に6名のアーティストを選出しました。このプログラムは、AIやVRといった最新技術が舞台芸術をどう変革するかを探るものです。フェローは9ヶ月間、資金援助を受けながら創作活動に専念し、芸術と技術の新たな可能性を追求します。
選出された6名のフェローは、今後9ヶ月間、リンカーン・センター内のスタジオスペースと資金援助を受けられます。センターのスタッフからのサポートも提供され、アーティストが既存の枠にとらわれず、自由に創作活動に没頭できる環境が整えられています。
今回のフェローには、AIやVR、没入型の4Dサウンドシステムなど多様な分野のアーティストが集結しました。モーションキャプチャーのパフォーマーから人種や未来史をテーマにする教育者まで、多彩な才能が技術による芸術表現の拡張に挑みます。
リンカーン・センターは技術を楽観視しており、AIを「音響ミキサーや絵筆のような新たな道具」と捉えています。懸念よりも、アーティストが持つビジョンに技術が追いついてきたという好機として認識しているのです。技術は創造性を制限するものではないという姿勢がうかがえます。
本プログラムは、参加者に最終的な作品の完成を義務付けていません。第1期では、複数のプロトタイプを制作したアーティストもいれば、研究や読書に時間を費やしたアーティストもいました。どちらも尊重され、創造性を育む柔軟な運営が特徴です。
過去のプログラムから生まれたプロジェクトは今も発展を続けており、将来リンカーン・センターで上演される可能性もあります。同センターはVR等を活用した体験型イベントに注力しつつ、フェローの活動を通じて世界中の観客にリーチする新手法も模索しています。