Meta、Facebook DatingにAI導入 マッチング精度向上へ
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Metaは22日、マッチングサービス「Facebook Dating」にAIアシスタントを導入すると発表しました。この新機能は、チャットボットを通じてユーザーがより自分に合った相手を見つけられるよう支援します。プロフィール改善の提案も行い、「スワイプ疲れ」の解消を目指します。AI活用でユーザー体験を向上させ、競争が激化する市場での差別化を図る狙いです。
AIアシスタントは、ユーザーの具体的な要望に応じたマッチングを可能にします。例えば、「ブルックリン在住でIT業界に勤める女性」といった条件で相手を検索できます。また、自身のプロフィールをAIに提示し、より魅力的に見せるための改善案を求めることも可能です。個人の好みを深く理解し、マッチングの精度を高めることが期待されています。
Metaは同時に「Meet Cute」という新機能も発表しました。これは、スワイプ操作に疲れたユーザーを対象としたものです。同社のアルゴリズムに基づき、週に一度「サプライズマッチ」として相性の良い相手を自動で提案します。能動的に探すだけでなく、良い出会いを見つける機会を提供することで、サービスの継続利用を促します。
Facebook Datingの利用者は、特に18歳から29歳の若年層で前年比10%増と成長しています。しかし、業界大手のTinderが抱える約5千万人の日間アクティブユーザーや、Hingeの1千万人に比べると規模はまだ小さいのが現状です。AI機能の強化は、巨大な競合に対抗するための重要な一手と言えるでしょう。
マッチングアプリ業界ではAIの導入が標準となりつつあります。TinderやHingeを傘下に持つMatch Groupは昨年、OpenAIとの提携を発表しました。同社はAI分野に2,000万ドル以上を投資しており、これは厳しい財務状況下での大きな賭けです。AI活用が今後の収益性を左右する重要な鍵になると見ています。
Match Groupの投資は具体的な機能として結実しています。Tinderでは、最適なプロフィール写真を提案する「AI写真セレクター」を導入しました。Hingeでは、AIがプロフィールの回答を改善する提案を行う機能を実装するなど、各社が独自のAI活用法を模索し、しのぎを削っています。
競合のBumbleも同様のAI機能を追加しています。創業者は昨年、個人の「AIコンシェルジュ」が他者のAIとデートし相性を判断する未来を示唆しました。AIが単なる補助機能に留まらず、マッチングプロセスそのものを変革する可能性を秘めていると言えるでしょう。