AI法律事務所支援「Superpanel」、530万ドル調達

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法律事務所の業務効率化を支援するAIスタートアップ、Superpanel社が2025年9月23日、シードラウンドで530万ドル(約8億円)の資金調達を発表しました。このラウンドはOutlander VCとField Venturesが共同で主導しました。同社は調達資金を活用し、法律事務所が新規クライアントを受け入れる煩雑なプロセス「リーガルインテイク」を自動化するプラットフォームの開発を加速させます。

Superpanelのプラットフォームは、法律事務所に「デジタルチームメイト」を提供します。電話、テキストメッセージ、メールなど様々なチャネルを通じてクライアントと対話し、案件に関する情報収集や書類共有を自動で進めます。これにより、これまで事務所スタッフの作業の半分を占めていた受け入れ業務の負担を大幅に軽減できるとしています。あなたの組織でも、同様の定型業務はありませんか?

このシステムは、クライアントを誘導して案件の種類や管轄区域、必要な書類を整理します。一方で、AIによる判断が難しい曖昧な点やリスクが伴う場合は、人間の担当者に判断を仰ぐエスカレーション機能を備えています。これにより、自動化による効率性と人間による信頼性を両立させたワークフローの構築を目指します。

今回調達した資金は、主に人材採用の加速と、プラットフォームの機能拡張に充てられます。特に、事故や不法行為などで損害を受けた原告側のクライアントを支援する法律事務所向けのサービス強化に注力する方針です。CEOのジュリアン・エメリー氏は、市場での競争力を高めていく考えを示しています。

法律分野はAIによる変革が急速に進んでおり、多くのスタートアップが参入する激戦区です。Superpanelの競合にはClio GrowやLegalClerk.aiなどが存在します。消費者がAIツールによって即時的な対応を期待する現代において、いかに優れた顧客体験を提供できるかが差別化の鍵となりそうです。

創業の背景には、エメリー氏自身の経験があります。彼は過去に法的な助けを求める際に、手続きが煩雑で費用も高いと感じた原体験から、この課題解決に着手しました。AI技術の進化が、これまで自動化が困難とされてきた複雑なリーガルインテイクのプロセスを変革する好機と捉えています。