2045年シンギュラリティ到来、AIで知性100万倍に

市場動向導入事例

加速する技術進歩

技術革新は指数関数的に成長
人々は進歩の加速を過小評価
今後20年で驚異的な飛躍

人間とAIの完全融合

脳とクラウドを直接接続
2032年頃に長寿脱出速度へ到達
2045年に知性は100万倍に拡大

技術の両刃の剣

AIの脅威は現実的で深刻
リスクを管理する道徳的義務
詳細を読む

発明家で未来学者のレイ・カーツワイル氏は10月9日、母校マサチューセッツ工科大学(MIT)での講演で、AIと人間の完全な融合が2045年までに実現し「シンギュラリティ(技術的特異点)」が到来するとの見通しを改めて強調しました。同氏は技術進歩の加速を指摘し、今後20年で驚異的な飛躍が起こると予測しています。

カーツワイル氏の予測の核心は、2045年までに人類がAIと完全に融合し、知能が現在の100万倍にまで拡大するというものです。このシンギュラリティにより、我々の知性は生物学的な制約から解放され、根本的に変容すると同氏は主張します。まさにSFのような未来図です。

シンギュラリティへの道筋として、同氏は2030年代には分子サイズのロボットが脳内に入り、脳をクラウドに直接接続すると述べました。これにより思考能力が飛躍的に向上し、脳内にスマートフォンを持つような状態が実現されるとしています。まさに思考がそのまま情報処理となるのです。

AIがもたらす最も大きな変革の一つは、健康と医療分野です。カーツワイル氏は、2032年頃には「長寿脱出速度」に達すると予測します。これは科学の進歩によって1年生きるごとに1年以上の寿命を得られる状態を指し、健康への意識が高い人々からその恩恵が始まるとの見解を示しました。

これらの予測の根底には、技術の進歩は直線的ではなく「指数関数的」に進むというカーツワイル氏の揺るぎない信念があります。多くの人々が直線的な変化しか想定していないため、技術がもたらす未来の変革の大きさと速さを過小評価している、と同氏は警鐘を鳴らします。

もちろん、技術には常に二面性があります。カーツワイル氏はAIがもたらす脅威は現実的であり、真剣に対処すべきだと認めます。しかし、その上で「我々には新しい技術の可能性を実現し、そのリスクを管理する道徳的義務がある」と述べ、未来への楽観的な姿勢を崩しませんでした。