NVIDIA主導、次世代AI工場の設計図公開
新世代AIインフラの設計
電力効率を大幅向上
強力なパートナー連携
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NVIDIAとパートナー企業は、AIの推論需要拡大に対応する次世代AI工場の設計図を公開しました。10月13日にサンノゼで開催されたOCPグローバルサミットで発表されたもので、`800VDC`への電圧移行や`100%液冷`技術が核となります。オープンなエコシステムによる開発で、AIインフラの効率と性能を飛躍的に高める狙いです。
新世代の基盤となるのが、サーバー「Vera Rubin NVL144」と、576個のGPUを搭載可能な「Kyber」ラックです。これらはAIエージェントなど高度な推論処理を想定しており、垂直配置のコンピュートブレードにより、ラックあたりのGPU密度を最大化します。
最大の革新は電力システムです。従来の交流から`800ボルトの直流`(800VDC)へ移行することで、電力伝送効率が150%以上向上します。これにより、銅の使用量を削減し、データセンターの省スペースとコスト削減を実現します。
この挑戦はNVIDIA単独では成し遂げられません。FoxconnやHPE、Vertivなど50社以上のパートナーが、MGXサーバーや800VDC対応の部品、電力システムを開発しています。オープンな標準規格が、迅速な市場投入を可能にしています。
エコシステムはさらに広がりを見せています。IntelやSamsung Foundryが、NVIDIAの高速接続技術「NVLink Fusion」に参画。各社が開発する独自チップをNVIDIAインフラにシームレスに統合し、AIファクトリーの多様化と高速化を後押しします。
NVIDIAが描くのは、特定の企業に閉じない未来です。オープンな連携と標準化が、ギガワット級の巨大AIファクトリーの構築を加速させます。これは、AI時代のインフラにおける新たなパラダイムシフトと言えるでしょう。