Google、AI人材育成加速へ 新基盤『Skills』始動
AI学習を集約した新基盤
スキルを実務・採用に直結
詳細を読む
Googleは2025年10月21日、AIや専門技術を学ぶための新グローバルプラットフォーム「Google Skills」の提供を開始しました。Google CloudやDeepMindなど、社内の主要な教育コンテンツを集約し、AI人材の育成を加速させるのが狙いです。初心者から開発者、ビジネスリーダーまで幅広い層を対象に、実践的なスキル習得からキャリア形成までを一気通貫で支援します。
「Google Skills」は、これまでGoogle内の複数部門で提供されてきた学習コンテンツを統合したワンストップのプラットフォームです。Google Cloudの技術認定、DeepMindのAI研究基礎、Grow with Googleの入門コースなど、約3,000に及ぶコース、実践ラボ、資格情報がここに集約されます。これにより学習者は、自身のレベルや目的に合わせて最適なプログラムを簡単に見つけられるようになります。
学習体験の質を高める工夫も特徴です。Gemini Code Assistを活用したAI主導のコーディングラボなど、実践的なハンズオン経験を重視。さらに、学習の進捗を可視化する機能やSNSで共有できる実績システムといったゲーミフィケーション要素を取り入れ、学習者のモチベーション維持を後押しします。
スキル習得はキャリア形成に直結します。Googleは150社以上が参加する採用コンソーシアムや、スキルベースの採用イニシアチブを通じて、資格取得者と企業を積極的に結びつけています。特定のGoogle Cloud認定を取得した学習者が、採用企業の選考プロセスに直結する経路も用意されており、学習が具体的な雇用機会につながるエコシステムを構築しています。
Googleは教育機関との連携も深めています。フロリダ州のマイアミ・デイド郡公立学校区では、高校生10万人に「Gemini for Education」を提供するなど、教育現場でのAI活用をパイロット的に推進。こうした現場との連携を通じて得られた知見が、プラットフォームの改善にも活かされていくことでしょう。
多くのコースは無料で提供されており、Google Cloudの顧客であればオンデマンドライブラリ全体を追加費用なしで利用できます。激化するAI時代において、組織や個人の競争力をいかに高めていくか。この新しい学習基盤は、そのための強力な武器となりそうです。