Veeam、Securiti AIを17億ドルで買収、AIデータ統制を強化

市場動向データ・プライバシーセキュリティ

17億ドル規模の大型買収

データ保護大手のVeeamが発表
被買収企業はSecuriti AI
買収額は17.25億ドル
2025年12月に買収完了予定

AI時代のデータ戦略

AI活用のためのデータ統制を支援
Securitiの技術を製品に統合
加速するデータ業界の再編
断片化したデータ基盤の解消へ
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データレジリエンス(障害復旧力)大手のVeeamは2025年10月21日、データセキュリティとAIガバナンスを手がけるスタートアップ、Securiti AIを17.25億ドル(約2500億円)で買収すると発表しました。現金と株式交換を組み合わせ、買収は12月第1週に完了する見込みです。AIの導入が加速する中、企業が持つデータのセキュリティと統制を強化する狙いがあります。

VeeamのAnand Eswaran最高経営責任者(CEO)は、「データの新たな時代に入った」と述べ、今回の買収の意義を強調しました。従来のサイバー脅威や災害からのデータ保護に加え、AIを透過的に活用するためには「すべてのデータを特定し、統制され、信頼できる状態に保つこと」が不可欠だと指摘。Securiti AIの技術統合により、この課題に対応します。

買収されるSecuriti AIは2019年設立。企業の全データを一元管理する「データコマンドセンター」を提供し、MayfieldやGeneral Catalyst、Cisco Investmentsなどから1億5600万ドル以上を調達していました。買収完了後、創業者のRehan Jalil氏はVeeamのセキュリティ・AI担当プレジデントに就任する予定です。

この動きは、AI活用を背景としたデータ業界の統合・再編の流れを象徴しています。2025年には、DatabricksがNeonを10億ドルで、SalesforceがInformaticaを80億ドルで買収するなど、大型案件が相次ぎました。企業がAI導入を進める上で、自社のデータ基盤を強化・統合する必要性が高まっています。

業界再編の背景には、多くの企業が課題としてきた「データスタックの断片化」があります。様々なデータ関連ツールを個別に利用することに多くの顧客が疲弊しており、AI導入によってその問題が一層顕在化しました。AIを効果的に活用するには、サイロ化されたデータを統合し、信頼できる基盤を構築することが急務となっており、ワンストップでサービスを提供する企業の価値が高まっています。