NVIDIA支援のAI、インドで乳がん早期発見に貢献
出典:NVIDIA公式
詳細を読む
NVIDIAが支援する米国のスタートアップMedCognetics社が、AI技術を活用した移動式クリニックでインド地方部の医療アクセス改善に貢献しています。NPO法人と連携し、低コストで高品質な乳がん検診を提供。これまで検診機会のなかった多くの女性に、早期発見と治療の道を開いています。
この移動式クリニックは過去1年で、インドのプネー周辺の農村部で3,500人以上の女性を検診しました。驚くべきことに、その90%が初めてマンモグラフィを受ける人々でした。AIによる解析で約300件の異常所見が見つかり、うち24人が陽性と診断され、病状が進行する前に治療へと繋げられました。
この取り組みを支えるのが、MedCognetics社が開発したAIシステムです。同社のAIは米国食品医薬品局(FDA)の認可を受けており、NVIDIAの産業用エッジAIプラットフォーム「IGX Orin」などで動作します。クラウドだけでなく、将来的には検診車に搭載したハードウェアでAI分析を完結させることを目指しています。
検診車に放射線科医は同乗しません。AIがまずマンモグラフィ画像を解析し、腫瘍の疑いがある高リスクなケースを即座に特定します。これにより、都市部の専門医は優先順位の高い患者から遠隔で詳細な読影を行え、診断プロセスが大幅に効率化されます。特に、人の目では見逃しやすい小さな腫瘍の発見に威力を発揮します。
インドの人口の約3分の2が居住する地方部では、高価でアクセスしにくい医療のため、予防検診が敬遠されがちです。その結果、乳がんが進行した段階で発見されるケースが多く、生存率に直結する課題となっています。AIを活用した手頃で身近な検診サービスは、この状況を打破する大きな一歩と言えるでしょう。