AI分析WisdomAI、Nvidia出資受け5千万ドル調達

急成長のAIデータ分析

シリーズAで5000万ドルを調達
リードはクライナー・パーキンス
NvidiaVC部門も新たに参加
法人顧客は2社から40社へ急増

幻覚を生まない独自技術

LLMをクエリ生成にのみ使用
回答のハルシネーションを回避
未整理データも自然言語で分析
リアルタイム通知エージェントも搭載
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AIデータ分析を手がける米スタートアップのWisdomAIが11月12日、シリーズAラウンドで5000万ドル(約75億円)の資金調達を発表しました。このラウンドは名門ベンチャーキャピタルのクライナー・パーキンスが主導し、半導体大手Nvidiaベンチャーキャピタル部門も参加。LLMの「幻覚」を回避する独自技術を武器に、急成長を遂げています。

同社の最大の特徴は、大規模言語モデル(LLM)が誤った情報を生成するハルシネーション」問題への巧みな対策です。WisdomAIでは、LLMを回答の生成ではなく、データを取り出すための「クエリ作成」にのみ使用。これにより、もしLLMが幻覚を起こしても、効果のないクエリが書かれるだけで、誤った回答がユーザーに提示されることはありません

事業は驚異的なスピードで拡大しています。2024年後半の正式ローンチからわずかな期間で、法人顧客は2社から約40社へと急増。シスコやコノコフィリップスといった大手企業も名を連ねます。ある顧客企業では、当初10席だったライセンスが、社内のほぼ全員にあたる450席まで拡大するなど、導入後の利用拡大も著しいです。

最近では、監視対象のデータに重要な変化があった際にリアルタイムでユーザーに通知するエージェント機能も追加されました。これにより、従来の静的なレポートではなく、ビジネス状況の変化を動的かつ能動的に捉えることが可能になります。CEOは「分析をプロアクティブなものに変える」と語ります。

WisdomAIを率いるのは、データセキュリティ企業Rubrikの共同創業者であるソーハム・マズムダー氏。他の共同創業者も同社出身者で構成されており、エンタープライズ向けデータ管理に関する深い知見が同社の強みの源泉となっています。今回の調達資金で、さらなる事業拡大を加速させる構えです。