元インテルCEO出資、電力半減チップ新興企業

AI時代の電力問題を解決

AI需要で逼迫する電力供給
チップ電力消費を50%以上削減
プロセッサ直近で電力を供給
エネルギー損失を大幅に最小化

元インテルCEOも絶賛

シリーズAで2500万ドルを調達
ゲルシンガー氏が技術を高く評価
TSMCで初回ロットを生産中
2026年前半に顧客テスト開始
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半導体スタートアップのPowerLattice社が、元インテルCEOのパット・ゲルシンガー氏がパートナーを務めるベンチャーキャピタルなどからシリーズAで2500万ドル(約37億円)を調達しました。同社は、AIの普及で急増するデータセンター電力消費を50%以上削減する画期的なチップレット技術を開発。業界のベテランが集結し、エネルギー効率の課題解決に挑みます。

AIモデルの学習や推論には膨大な計算能力が必要で、データセンター電力不足はテック業界共通の課題です。この状況を受け、半導体メーカーにとってエネルギー効率の向上は今や最優先事項。PowerLattice社の挑戦は、まさにこの時代の要請に応えるものです。

同社が開発したのは、プロセッサのすぐ近くに電力を供給する小型の「電力供給チップレット」です。電力の伝送距離を極限まで短くすることで、エネルギー損失を大幅に削減するという、コンセプトはシンプルながら極めて効果的な手法です。この革新が50%以上の電力削減を実現します。

今回の投資を主導したPlayground Globalのパートナーであり、元インテルCEOのゲルシンガー氏は、PowerLatticeのチームを「電力供給のドリームチーム」と絶賛。彼の参加は、同社の技術力と将来性に対する強力な信任の証と言えるでしょう。

PowerLatticeはすでに最初のマイルストーンを達成しています。最初のチップレットは半導体受託製造最大手のTSMCで生産が始まっており、匿名の提携メーカーが機能テストを実施中です。2026年前半には、より多くの顧客がテストできる体制を整える計画です。

潜在顧客はNvidiaやAMDといった大手から、特定のAIに特化したチップ開発企業まで多岐にわたります。競合も存在しますが、ゲルシンガー氏は「50%の効率改善は並外れた成果」と述べ、同社の技術が市場で大きなシェアを獲得すると確信しています。