Supabase50億ドル評価、大型契約拒否の成長戦略
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オープンソースDBプラットフォームのSupabaseは2025年11月、1億ドルを調達し、評価額が50億ドルに達したと明らかにしました。AIによる開発手法「Vibe coding」の普及を背景に、わずか数ヶ月で評価額を2.5倍に伸ばす急成長を遂げています。
特筆すべきは、CEOのポール・コップルストーン氏がとる「断る経営」です。同氏は、100万ドル規模のエンタープライズ契約であっても、顧客の要求が自社のプロダクトビジョンから逸脱する場合は契約を拒否しています。目先の収益よりも製品の一貫性を優先する戦略です。
この「苦渋の決断」は、結果として市場からの信頼獲得に繋がりました。独自のビジョンを貫くことで、LovableやReplitといった有力スタートアップのインフラとして選ばれ続けています。世界が自社製品に追いつくことを待つ、大胆な賭けが奏功しているのです。
調達した資金は、中核技術であるPostgresのスケーラビリティ向上に投じられます。コップルストーン氏は「Oracleの死は一世代もかからない」と述べ、データベース市場の覇権交代が予想以上の速さで進むとの見通しを示しました。