トランプ氏主導の州AI規制禁止、米防衛法案で再び頓挫
米議会での攻防と決裂
トランプ大統領が州規制の無効化を強く要請
NDAAへの条項追加に超党派で反発が発生
共和党内からも州知事らが異論を唱える
テック業界の思惑と今後
企業は統一ルールによる効率化を支持
連邦法なき規制撤廃に監視空白の懸念
共和党は別法案での再提出を模索中
詳細を読む
2025年12月3日、米議会共和党指導部は、各州による独自のAI規制を無効化する条項の国防権限法(NDAA)への盛り込みを断念しました。トランプ大統領やシリコンバレーが後押ししたこの措置は、超党派の議員や一部の共和党州知事からの強い反発を受け、最終的な合意には至りませんでした。
この動きは、州ごとに異なる規制が乱立する「パッチワーク」状態を回避し、イノベーションを促進したい大手テック企業の意向を反映したものです。トランプ氏は、統一された連邦基準がなければ中国とのAI開発競争に敗れると主張し、法制化を強く求めていました。
一方で批判派は、連邦レベルの包括的なAI法が存在しない現状で州の権限を剥奪することは、実質的に巨大IT企業への監視を放棄することに等しいと指摘しています。州法は主に安全性や消費者保護に焦点を当てており、その無効化には慎重論が根強くあります。
スカリス下院院内総務は、NDAAがこの規定を含めるのに「最適な場所ではなかった」と認めつつ、関心は依然として高いと強調しました。共和党指導部は今後、単独の法案や別の立法手段を通じて、再び連邦による規制統一を目指す方針です。