AIで隠れた地熱資源を発見、米新興が挑む再エネ革命

AIによる資源探査の突破口

米Zanskarがネバダ州で地熱資源を発見
地質データをAI解析し隠れた熱源を特定
数十年ぶりの発見、商用化へ前進

従来型地熱の課題とポテンシャル

地表に兆候がない盲目的システムの探査困難
偶然に頼る探査プロセスを技術で革新
人工造成より低コストな天然資源を活用
未発見資源は数百GW規模の潜在能力
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米地熱スタートアップのザンスカー(Zanskar)は4日、AIを活用してネバダ州で商業的に有望な地熱資源を特定したと発表しました。業界で数十年ぶりとなるこの発見は、AI技術が再生可能エネルギー開発の最大の難関「資源探査」を劇的に効率化できることを証明するものです。

地熱発電は安定した再エネですが、適地の発見が困難でした。地表に兆候がない「隠れた熱水系」は、これまで石油掘削等の際に偶然発見されるケースが大半でした。同社は膨大な地質データをAIで解析し、この「干し草の中の針」を意図的に見つけ出すことに成功しました。

最近の注目は人工的に岩盤を破砕する「強化地熱システム(EGS)」でしたが、ザンスカーの手法は天然の熱源を探し当てます。これによりEGSに比べて複雑な工程や水資源を必要とせず、コスト競争力や環境負荷の面で優位性を持つ可能性があります。

専門家は、米国内の未発見の地熱資源が政府試算の30ギガワットを遥かに上回り、数百ギガワット規模に達すると指摘します。AIと掘削技術の融合は、化石燃料に依存しないベースロード電源の供給を拡大し、脱炭素社会実現への強力な推進力となるでしょう。