風力発電の鳥衝突防ぐAI監視、930万ドル調達で事業拡大

AIによる監視技術の進化

市販カメラで半径2.5kmをカバー
鳥の識別精度は約96%に向上
渡り鳥のパターン学習し稼働調整

規制強化と多角化する需要

環境規制の厳格化が追い風
大手エネルギー20社以上が導入
空港や鉱業など他分野へも展開
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ノルウェーのスタートアップSpoorが、コンピュータビジョンを活用して風力発電所での鳥類衝突を防ぐAIソフトウェアで注目を集めています。同社はシリーズAで約930万ドルを調達し、環境規制が強まる中でエネルギー産業と自然の共存を技術で支援、事業拡大を加速させています。

独自のコンピュータビジョン技術は、市販の高解像度カメラを用いて半径2.5km以内の鳥を検知・追跡可能です。蓄積データにより識別精度は約96%に達し、風車の稼働停止や減速を適切なタイミングで判断できます。

従来は双眼鏡や犬を使った目視確認に頼っていましたが、AIによる自動化で効率が劇的に向上しました。フランスで風力発電所が閉鎖されるなど規制当局の監視強化が進む中、正確なデータに基づく運用が不可欠となっています。

現在、世界の大手エネルギー企業20社以上が導入し、3大陸で事業を展開中です。技術の応用範囲は広く、空港や水産養殖、さらには鉱業でのコウモリ追跡など、風力発電以外の分野からも引き合いが増えています。

創業者ヘルセス氏は、ドローン検知などへの応用も技術的に可能としつつ、当面は鳥類保護に注力する方針です。産業界の発展と生態系保護の両立というグローバルな課題解決に向け、さらなる市場拡大を目指しています。