MITが計算生物学で2つの成果を発表
深層学習でショウジョウバエの細胞発生を予測
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MITの研究者たちが、計算手法と深層学習を生物学に応用した2つの成果を2025年12月に相次いで発表しました。いずれもこれまで解析が困難だった複雑な生命現象に、AIを用いて迫る試みです。
最初の研究では、Ming Guo准教授らのチームがショウジョウバエの初期胚発生を細胞レベルで予測する深層学習モデルを開発し、学術誌『Nature Methods』に発表しました。
このモデルは細胞を点群と泡の両方として同時に表現する「デュアルグラフ」構造を採用しています。細胞の位置・接触状態・折り畳み・分裂などの幾何学的特性を高精度に捉えることができます。
ミシガン大学が撮影した高解像度タイムラプス動画を用いて学習を行い、約5,000個の細胞それぞれの1時間にわたる挙動を90%の精度で予測することに成功しました。
研究チームはこの手法を他の生物種に拡張し、喘息や癌といった早期疾患に特有の細胞動態パターンの発見を目指しています。データの質が今後の応用拡大における主なボトルネックだと研究者らは述べています。
もう一つの研究は、MIT生物学部とEECSの兼任教員として着任したYunha Hwang助教によるものです。極限環境に生息する微生物のゲノムを計算的に解析する研究に取り組んでいます。
Hwang助教はDNAを「言語」として扱うゲノム言語モデルを開発し、実験室で培養できない微生物の機能をインシリコで推定する手法を研究しています。タンパク質の機能を単独ではなくゲノム上の前後文脈とともに解釈する点が特徴です。
微生物は地球上の炭素固定や栄養循環を担う重要な存在であり、その代謝能力を理解することは気候変動対策や新素材・医薬品の開発に直結します。計算生物学はこの膨大な「微生物の暗黒物質」を解き明かす鍵と位置づけられています。