XPrizeがドローンとAIによる山火事早期検知・消火技術の競争を加速

ドローン

XPrize競技の概要と目標

XPrizeが350万ドルの賞金で山火事検知・消火の自律システムを競う
1,000km²の「環境的に困難な地形」での10分以内の消火が最終課題
検知から消火まで通常1時間以上かかる応答時間の劇的短縮が目標
13チームがセミファイナルに進出し2026年6月に決勝
衛星を使った小規模火災検知トラックで別途100万ドルの賞金
すべてのチームがセンサー+AI判断のアーキテクチャを採用

メリーランド大学チームの技術

熱センサーカメラとYOLO深層学習で焚き火と危険な火を区別
4万枚の火災写真で学習し1,200枚を手動ラベリングしたモデル
水風船を空中で起爆させる革新的消火方式を採用
偵察ドローンが最適な位置を確認して消火ドローンを誘導
市販DJIドローンを活用しシステム全体を30万ドルで構築
消火ドローンは25kgの規制上限のためパイロット操作が必要
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XPrize財団は山火事の検知と消火に特化した2つのコンペティションを組織しており、自律消火トラックでは350万ドル、衛星検知トラックでは100万ドルの賞金を用意しています。1,000km²の環境的に困難な地形で10分以内に発見・消火することが最終要件です。

メリーランド大学のCrossfire Teamは、偵察ドローン(DJI製)と消火ドローン(Alta X)の2機体連携システムを開発しています。偵察機の熱カメラとYOLOベースのビジョンAIが火災を検知し、消火機に位置情報を伝達します。

Crossfireの特徴的な技術は水風船を空中で起爆させることで、低高度から直接燃焼バイオマスの上に水を散布する方式です。従来の航空機消火では水の多くが目標を外れるのに対し、少量の水で高効率な消火が可能になると見込まれています。

YOLOモデルの訓練には4万枚の火災写真が使われ、そのうち約1,200枚を人間が手動でラベリングしました。このモデルが焚き火(デコイ火)と危険な山火事を区別する判定を行っており、偽陽性の排除が実用化の重要課題です。

現行のFAA規制では25kg以上のドローンや自律的なペイロード投下に制限があり、決勝でのFAA承認取得が参加チームの課題となっています。一部チームは現行規制内の設計を選び、他チームは規制改正後の普及を見据えた重量級設計を採用しています。

Western Fire Chiefs AssociationのBob Roperは、この技術が単独で山火事を解決するのではなく、有人航空機が対応できない夜間や特定地域での補完的役割を担うことになると展望しています。技術の商業化には連邦・州レベルの採用が先行する見込みです。