ルカン氏のAMI Labs、ワールドモデル開発で約1500億円調達
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チューリング賞受賞者のヤン・ルカン氏がMetaを退社後に共同設立した仏AIスタートアップAMI Labsは、2026年3月、10.3億ドル(約1500億円)の資金調達を完了したとTechCrunchが報じた。プレマネーバリュエーションは35億ドルで、投資家にはベゾス・エクスペディションズやNvidia、Samsung、Toyotaベンチャーズらが名を連ねる。
AMI Labsが開発するワールドモデルとは、テキストではなく現実世界のデータから学習するAIであり、大規模言語モデル(LLM)とは根本的に異なるアプローチを取る。技術基盤には、ルカン氏が2022年に提唱したJEPA(Joint Embedding Predictive Architecture)を採用している。
CEOのアレクサンドル・ルブラン氏は、LLMの幻覚問題が医療現場で生命に関わるリスクをもたらすと指摘し、その限界を克服する代替技術としてワールドモデルへの移行を決断したと述べた。最初のパートナーは医療スタートアップのNablaであり、実世界データでの早期検証を進める。
同社は「基礎研究からスタートする野心的プロジェクト」と位置づけており、商用化まで数年単位の時間軸を想定している。チームはルカン氏(会長)、元MetaのVPローラン・ソリー氏(COO)、著名研究者のサイニン・シェ氏(最高科学責任者)らで構成され、人材の質を最優先に採用を進める方針だ。
ルブラン氏は「研究は公開した方が進みが速く、コミュニティ形成が自社の利益にもなる」と語り、論文発表とコードのオープンソース化を積極的に行う姿勢を示した。ワールドモデル分野ではFei-Fei Li氏のWorld Labsも先月10億ドルを調達しており、次のAI投資テーマとして急速に注目が高まっている。