MIT Media Lab パラディソ教授、センシング技術で芸術・医療・生態学を融合
ウェアラブル革新
16センサー搭載の靴を1997年開発
ダンス動作からリアルタイム音楽生成
現在のスマートウォッチの先駆けに
医療・スポーツ応用
2006年にスポーツ医学へ転用
エリート選手の怪我リスクを評価
臨床設備なしで生体力学モニタリング
環境・生態系への展開
ナショジオと野生動物追跡で協働
AI搭載音響センサーで絶滅危惧ミツバチ監視
出典:MIT News
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MITメディアラボのジョセフ・パラディソ教授が、センシング技術を芸術・医療・生態学の分野横断的に応用する研究でIEEEフェローに選出されました。同氏は物理学の博士号を持ち、レスポンシブ・エンバイロメンツ研究グループを率いています。
パラディソ教授はウェアラブルセンシングの先駆者として、1997年に片足16個のセンサーを埋め込んだ靴を開発しました。装着者の動きがアルゴリズムを通じてリアルタイムで音楽を生成する仕組みで、拡張ダンスパフォーマンスを実現しました。
当時は多数のセンサーを列挙すると笑われたと同教授は振り返りますが、現在ではスマートウォッチが同様の計測を日常的に行っています。初期のプロトタイプから日用技術への進化は、同教授の研究が現代のウェアラブル機器の基盤を築いたことを示しています。
研究は個人から集団へと拡大し、ダンスアンサンブルが集合的な動きで音楽を創るプラットフォームを開発しました。2006年にはエリートアスリートを支援する医師と連携し、小型ウェアラブルセンサー群で怪我リスク・パフォーマンス・回復を現場で評価する技術を実用化しています。
近年はナショナルジオグラフィックの探検家と協力し、ボツワナのライオンやハイエナ、チリのヤギに低電力追跡デバイスを装着しています。さらにパタゴニアではAI搭載音響センサーで絶滅危惧のミツバチ個体群を監視し、生態系の変化を把握する新たな手段を提供しています。
パラディソ教授の研究は、技術の目新しさ自体が目的ではなく、人間がより知覚的になり、より深くつながり、大きなシステムの中での自分の位置を認識するための増幅装置としてテクノロジーを活用する姿勢を貫いています。MITの基礎研究が長期にわたり新分野を開拓する好例です。