Tower半導体とScintil、AI向け初の単チップ光エンジン量産開始
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Tower SemiconductorとScintil Photonicsは2026年3月、AIデータセンター向けとして世界初となる単チップDWDM(高密度波長分割多重)光エンジンの量産を発表しました。この技術により、1本の光ファイバーで複数の光信号を同時に伝送でき、消費電力と遅延を大幅に削減します。
AIデータセンターでは、数十基のGPUとメモリを一体的に動作させるスケールアップネットワークが求められています。従来の銅線接続では帯域幅と遅延の限界があり、光接続への移行が急務となっていますが、レーザーそのものをシリコンチップに統合する技術が欠けていました。
ScintilのSHIP技術は、標準的な300mmシリコンフォトニクスウェハー上にレーザー、フォトダイオード、変調器を統合します。InP系半導体ダイをウェハーの必要箇所にのみ接合することで、高価な材料の使用量を最小限に抑えつつ、フォトリソグラフィで高精度な波長安定性を実現しています。
完成品のLEAF Lightチップは、1ファイバーあたり8または16波長を出力し、最大1.6Tbpsのデータ速度を達成します。従来の単一チャネル400Gbps伝送に対し、50Gbpsを8チャネルに分散する「遅く広く」のアーキテクチャにより、電力効率とファイバーあたりのデータ容量が飛躍的に向上します。
最大の利点はGPU利用率の改善です。高帯域チャネルでの誤り訂正処理が遅延を増大させるのに対し、低帯域DWDMで複数GPUを接続すれば利用率を倍増できます。Scintilは2026年末までに数万個を出荷し、翌年には生産量を10倍に引き上げる計画で、2028年の本格導入に向けサプライチェーンを整備しています。