Eon Systems「ハエの脳をアップロード」主張に専門家が疑義
誇大な主張と実態
論文未発表で動画のみ公開
専門家「本物の上傳動物ではない」
91%精度の根拠が不明確
マスク氏ら著名人が拡散に加担
科学的検証の欠如
独立検証なし、再現不可能
神経伝達物質など重要情報が欠落
仮想ハエは飛行すらできず
複数個体の合成データを使用
出典:The Verge
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Eon Systems社(サンフランシスコ)が2026年3月、ショウジョウバエの脳全体をデジタル化し仮想身体で動作させたと主張する動画をXに投稿しました。共同創業者は「世界初の全脳エミュレーションの具現化」と称し、CEOは「本物のアップロードされた動物」と断言しています。
しかし公開されたのは短い動画2本のみで、詳細な手法の記述も科学論文も独立した検証も存在しません。イーロン・マスク氏やブライアン・ジョンソン氏らがSNSで賞賛し、コンテンツファームが「人間も次か」と煽る記事を量産する事態となりました。
ハーバード大学のアレクサンダー・ベイツ研究員は、同社が「期待を下回る成果」しか示していないと指摘します。ブログ記事で追加情報が公開されましたが、コードや再現手順の詳細は不足しており、91%という行動精度の定義も依然不明です。さらに仮想ハエは飛行できないことも判明しています。
カーネギーメロン大学のナイエビ教授は、同社がハエの脳全体を捉えるには「程遠い」と評価しました。神経伝達物質や細胞間接続の強度といった重要な生物学的情報が欠落しており、運動系も「真のアップロード」ではないと断じています。複数の異なる個体から合成されたデータである点も問題視されています。
哲学者らは「アップロードされた動物」という概念自体に疑問を呈しています。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのジョナサン・バーチ氏は「脳のエミュレーションであり、動物の残りは置き去り」と指摘します。CEOは批判を受けてもなお主張を撤回せず、「限定的な意識がある」とまで述べており、科学的根拠なきスタートアップの過大宣伝として専門家から厳しい目が向けられています。