スタンフォード発、ナノフォトニクスとAIで単一チップマルチオミクス実現へ
VINPix技術の革新性
Si光共振器で超高Q値実現
密度1000万個/cm²超
遺伝子・タンパク質・代謝物を同時検出
音響バイオプリンティングとAIを統合
応用分野の広がり
腫瘍微小環境の薬剤耐性予測
海洋自律ロボットで生化学モニタリング
MHCペプチドの新規分子種同定
単一細胞フェノタイピングに対応
詳細を読む
スタンフォード大学のDionne教授は2026年3月19日、ナノフォトニクスとAIを融合した分子シーケンシング・単一細胞フェノタイピング技術について、IEEE・Wiley共催のオンラインウェビナーで発表しました。生物圏の情報伝達速度は技術圏より9桁速いとされ、その差を埋める新技術が注目されています。
中核技術であるVINPixは、シリコンフォトニック共振器を基盤とし、数千から数百万に及ぶ高Q値とサブ波長モード体積を実現しています。1平方センチメートルあたり1000万個を超える高密度実装が可能で、従来のバイオセンサーを大きく凌駕する性能を備えています。
この技術は音響バイオプリンティングとAI解析を組み合わせることで、遺伝子・タンパク質・代謝物といったマルチオミクス情報を単一チップ上で同時に検出できます。従来は別々の装置で行っていた解析を統合し、検出速度と効率を飛躍的に向上させる可能性があります。
応用分野は医療診断にとどまりません。モントレー湾水族館研究所(MBARI)の自律型水中ロボットと統合し、海洋の生化学モニタリングにも展開されています。また、MHC結合ペプチドの動的ラマン分光法や計算メタダイナミクスにより、未知の分子種の同定にも道を開きます。
がん治療の分野では、腫瘍微小環境のサブセルレベルでの薬剤耐性予測、マクロファージ極性化、T細胞活性化状態のプロファイリングが可能になります。バイオテクノロジー・製薬・半導体・フォトニクス業界の研究者やデータサイエンティストにとって、大きな技術革新となることが期待されます。