独DFKIがAI搭載スマート車椅子の実証実験を公開
研究の概要と技術
DFKIがセンサー搭載電動車椅子を開発
半自律・完全自律の2モード搭載
自然言語で目的地指示が可能
ROS2 Nav2とSLAM地図を活用
実用化への課題
コストが最大の普及障壁
多様なユーザーニーズへの対応が困難
実環境での信頼性確保が課題
市場投入まで10年の見通し
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ドイツ人工知能研究センター(DFKI)の研究チームが、AI搭載スマート車椅子のプロトタイプを開発し、米カリフォルニア州アナハイムで開催されたCSUN支援技術カンファレンスで研究成果を発表しました。
開発された車椅子は半自律モードと完全自律モードの2種類を備えています。半自律モードではジョイスティックによる操作を支援し、完全自律モードでは「コーヒーマシンまで連れて行って」といった自然言語入力で目的地へ誘導します。
各車椅子には2基のLiDAR、3Dカメラ、オドメーター、ユーザーインターフェース、組み込みコンピューターが搭載されています。オープンソースのROS2 Nav2ナビゲーションシステムとSLAM技術を組み合わせ、障害物回避を実現しています。
トロント拠点のBraze Mobility社CEOビスワナサン氏は、コストが最大の障壁だと指摘します。フランスIRISAの研究者デヴィンジュ氏も、センシングや自律性を高めるほど実環境での堅牢な性能確保が難しくなると述べています。
研究を率いたマンデル氏は、スマート車椅子の市場投入を10年以内と見込む一方、重度障害を持つ車椅子利用者が狭い通路を巧みに通過する能力を目の当たりにした経験から、技術はユーザーを置き換えるのではなく協調関係を築くべきだと強調しています。