MIT、超音波リストバンドでロボットハンドを遠隔操作
デバイスの仕組み
手首の超音波画像をリアルタイム取得
AIが画像から22自由度の指位置を推定
スマートウォッチ大の小型設計
カメラやグローブ不要の非侵襲型
出典:MIT News
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MITの研究チームは、装着者の手の動きをリアルタイムで追跡し、ロボットハンドを無線制御できる超音波リストバンドを開発しました。研究成果はNature Electronics誌に掲載され、VR・ロボティクス分野への応用が期待されています。
このリストバンドは手首の筋肉や腱の超音波画像を連続的に撮影し、AIアルゴリズムが画像を5本の指と手のひらの位置情報にリアルタイムで変換します。手首の腱は指を動かす「操り糸」のような役割を果たしており、その状態を画像化することで手全体の動きを正確に把握できます。
従来のカメラ方式は設置が複雑で遮蔽物に弱く、センサーグローブは自然な動きを妨げるという課題がありました。筋電信号を用いる方式もノイズの影響を受けやすく、微細な動きの識別が困難でした。超音波方式はこれらの問題を解決し、指の22自由度すべてを高精度で追跡できます。
実証実験では8名の被験者がアメリカ手話の全26文字やテニスボール・ハサミなどの把持動作を行い、いずれも正確に追跡されました。ロボットハンドとの連携では、装着者の動きに合わせてロボットがピアノ演奏やバスケットボールのシュートを再現することに成功しています。
研究チームは今後、ハードウェアのさらなる小型化と、多様な手のサイズ・形状に対応するためのAI学習データの拡充を進めます。将来的には誰でも装着可能な汎用デバイスとして、ヒューマノイドロボットの訓練データ収集や外科手術支援、VR・ゲーム操作など幅広い分野への展開を目指しています。