AnthropicがOpenAI支持のAI免責法案に反対表明
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Anthropicは2026年4月14日、OpenAIが支持するイリノイ州のAI責任免除法案SB 3444に反対する立場を正式に表明しました。同法案は、AI企業が自社の安全フレームワークを策定・公開していれば、大量殺傷や10億ドル超の物的損害といった大規模被害が発生しても責任を免除するという内容です。Anthropicは法案の修正もしくは廃案を求めて、法案提出者のビル・カニンガム上院議員らに対しロビー活動を展開しています。
Anthropicの米国政府関係責任者セサル・フェルナンデス氏は、「優れた透明性法案は公共の安全と企業の説明責任を確保すべきであり、すべての責任を免除する免罪符を与えるものであってはならない」と述べました。一方、OpenAIは同法案が深刻なリスクを軽減しつつイリノイ州の人々にAI技術を届けるものだと主張し、連邦法が不在のなか各州との連携で統一的な安全枠組みの構築を目指すとしています。
政策専門家からも批判の声が上がっています。Secure AI Projectの共同創設者トーマス・ウッドサイド氏は、「既存の法的責任はAI企業に合理的なリスク対策を講じる強力なインセンティブを与えている」と指摘し、SB 3444がその抑止力を大幅に弱めると警告しました。イリノイ州のプリツカー知事も、大手テック企業に公共の利益を守る責任を回避させる「完全な盾」を与えるべきではないとの声明を出しています。
Anthropicは同時に、別のイリノイ州法案SB 3261を支持する証言を先週行いました。SB 3261は、フロンティアAI開発企業に公開の安全計画と児童保護計画の策定を義務付け、第三者監査による有効性検証を求める全米でも最も厳格なAI安全法案の一つです。この対照的な姿勢は、AI規制をめぐるAnthropicとOpenAIの戦略的な違いを鮮明にしています。
今回の対立は、フロンティアAI技術がもたらし得る壊滅的被害に対して、開発企業がどこまで責任を負うべきかという根本的な問いを浮き彫りにしています。Anthropicは安全性重視の姿勢でトランプ政権からも批判を受けてきましたが、企業の説明責任を重視する立場を堅持しています。連邦レベルのAI規制が不在のなか、州単位の法整備をめぐる両社の攻防は今後さらに激化すると見られます。