Cisco幹部が提唱する「認知のインターネット」、AIエージェント間の共有思考を実現する3つの新プロトコル
3つの新プロトコル
Ciscoでの実践成果
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CiscoのOutshift部門でSVP兼GMを務めるVijoy Pandey氏が、AIエージェントの次の課題は「共に考える」能力だと提唱しました。同氏はVentureBeatのポッドキャストで、現在のAIエージェントはワークフローで接続できても意味的な整合性や共有コンテキストを持たず、毎回ゼロから作業していると指摘。この課題を解決する「認知のインターネット」という構想を発表しています。
Pandey氏のチームは3つの新プロトコルを開発しています。Semantic State Transfer Protocol(SSTP)は言語レベルで意味的な通信を解析し、適切なツールやタスクを推論します。MITとの共同研究「Ripple Effect Protocol」も関連成果として発表されています。Latent Space Transfer Protocol(LSTP)は、トークン化のオーバーヘッドを回避し、KVキャッシュごと潜在空間を直接転送する仕組みです。
Compressed State Transfer Protocol(CSTP)は、対象となる情報のみを選別し残りを圧縮する方式で、大量の状態情報を正確に送る必要があるエッジ環境に適しています。これら3つのプロトコルに加え、認知状態を同期する「ファブリック」とガードレールを提供する「認知エンジン」の3層構造で分散型超知能の実現を目指しています。
一方、Ciscoでは既存のAI技術で具体的な成果も出ています。サイト信頼性エンジニアリング(SRE)チームでは、CI/CDパイプラインやKubernetesクラスタのデプロイなど10以上のワークフローを自動化しました。20以上のエージェントがMCPを介して100以上のツールにアクセスし、デプロイ時間を数時間から数秒に短縮しています。
Pandey氏は、大規模ネットワークにおけるエラー検出能力を10%から100%に引き上げた事例も紹介しました。同時に「AIは道具であり、新しいハンマーを手にしたからといって釘を探し回るべきではない」と述べ、決定論的なコードとAIの適切な組み合わせが重要だと強調しています。また、この「認知のインターネット」はオープンで相互運用可能な取り組みであるべきだとし、オープンソースプロジェクトAgntcyでエージェントの発見やアクセス管理、監視、評価の機能を公開しています。