Physical Intelligence、未学習タスクをこなすロボット汎用AIを発表
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サンフランシスコ拠点のロボティクススタートアップPhysical Intelligenceは2026年4月16日、最新モデル「π0.7」の研究成果を発表しました。このモデルは、明示的に訓練されていないタスクをロボットに実行させる能力、すなわち「構成的汎化」を実現したと同社は主張しています。従来のロボット訓練はタスクごとにデータを収集し専用モデルを構築する方式が主流でしたが、π0.7はその枠組みを打ち破るものです。
最も注目すべき実験はエアフライヤーの操作です。訓練データには関連するエピソードがわずか2件しかなかったにもかかわらず、モデルはウェブ由来の事前学習データと組み合わせて調理器具の使い方を理解しました。ステップごとの言語指示を与えることで成功率は95%に達し、新しい環境への即時適応の可能性を示しています。この「コーチング」能力は、追加のデータ収集やモデル再訓練なしにロボットを現場で改善できることを意味します。
一方で研究者自身が限界も率直に認めています。「トーストを作って」のような単一の高レベル指示で複雑な手順を自律実行する段階には達していません。また、ロボティクス分野には標準化されたベンチマークが存在しないため、外部からの検証が困難な状況です。同社は自社の過去の専用モデルとの比較で、コーヒー淹れ・洗濯物畳み・箱の組み立てなど複雑作業において汎用モデルが同等の性能を達成したと報告しています。
Physical Intelligenceはこれまでに10億ドル以上を調達し、直近の評価額は56億ドルです。現在、評価額をほぼ倍増させる110億ドルでの新ラウンドを協議中と報じられています。共同創業者のSergey Levine氏は商用化の時期について明言を避けつつも、「数年前の予想より速く進歩している」と楽観的な見方を示しました。大規模言語モデルで見られた能力の急速な向上が、ロボティクスAIでも起きつつあるのかもしれません。