AI創薬候補の分析を自動化、10x Scienceが480万ドル調達
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10x Scienceは、AIが大量に生成する創薬候補化合物の分析を自動化するスタートアップです。2025年12月に設立され、Initialized Capital主導のシードラウンドで480万ドルを調達したと発表しました。Y Combinator、Civilization Ventures、Founder Factorも出資に参加しています。
同社の3人の創業者は、スタンフォード大学のノーベル化学賞受賞者キャロリン・ベルトッツィ博士の研究室で共に働いた経験を持ちます。がん細胞と免疫系の相互作用を研究する中で、分子レベルの正確な分析が困難であることに課題を感じたことが起業のきっかけとなりました。
10x Scienceのプラットフォームは、化学・生物学に基づく決定的アルゴリズムと、質量分析データを解釈するAIエージェントを組み合わせています。質量分析は分子の質量と電荷を測定して構成や構造を特定する手法で、高い精度を持つ一方、データ解釈に専門知識と時間を要します。同社はこの解析を自動化し、規制対応に必要なトレーサビリティも担保しています。
化学分析受託企業Rilas Technologiesの研究者マシュー・クロフォード氏は、数週間の利用で作業の高速化を実感したと語っています。AIがファイル名から分析対象のタンパク質を推定し、配列データベースを自動検索する機能に驚いたといいます。過去に試した他のAIツールと異なり、妥当な仮定を置いて分析を進める点を評価しています。
同社は今回の調達資金でエンジニアの採用とモデルの改良を進める方針です。投資家にとっては、特定の新薬の成否に依存しないSaaS型ビジネスモデルである点が魅力となっています。創業者らは将来的に、タンパク質構造と細胞の他のデータを統合した「分子インテリジェンス」の構築を目指すと述べています。