Bloomberg端末にAIチャット機能「ASKB」を導入

ASKBの機能と狙い

自然言語で端末を操作
投資仮説をデータで即検証
ワークフロー自動化に対応
約12.5万人がベータ利用中

精度確保と業界への影響

要約の事実検証を多段階で実施
意味反転チェックも組み込み
端末の主要操作手段
若手アナリスト育成に課題
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Bloombergは、金融情報端末「Bloomberg Terminal」にAIチャットボット「ASKB」を導入するテストを進めています。同社のShawn Edwards CTOによると、端末に蓄積されるデータ量が増大し続けるなか、必要な情報を見つけ出す作業が限界に達しつつあることが開発の背景です。ASKBは複数の大規模言語モデルを組み合わせて構築されており、約37.5万人のユーザーのうち約3分の1がベータ版を利用できる状態にあります。

ASKBの特徴は、自然言語での問いかけを通じて複雑な投資仮説をデータに照らして検証できる点にあります。たとえば「イランの紛争と原油価格の変動がポートフォリオにどう影響するか」といった多面的な問いに対し、数分で分析結果を提示することを目指しています。従来は個別のデータポイントを手作業で集める必要がありましたが、ASKBでは高次の問いをそのまま投げかけられます。

エージェント型AIとしての側面も備えています。決算シーズンに向けた準備作業では、ワークフローテンプレートを作成し、必要なデータ収集から強気・弱気シナリオの要約までを自動化・スケジュール実行できます。Edwards氏はASKBが将来的に端末操作の主要な入口になると明言しており、GUIは残るものの、分析の起点はASKBに移行する見通しです。

精度面では、ハルシネーション対策として多層の検証プロセスを導入しています。要約に含まれる情報が元の段落に裏付けられるかの検証、モデルが意味を反転させていないかの意味チェック、引用元の正確性チェックなどを実装しています。ただし「完璧とは言えない」とEdwards氏は認めており、ユーザーが情報源にたどり着ける透明性を重視する方針です。

業界への影響について、Edwards氏はAIツールが「平凡なアナリストを突然優秀にする魔法ではない」と指摘しています。優秀な専門家はより深い分析が可能になる一方、アイデアの質そのものが差別化要因になるとの見方です。一方で、ジュニアアナリストの教育・育成をどう進めるかは業界全体の未解決課題として残ると述べています。