AI搭載リングが手話をリアルタイムでテキスト翻訳

韓国

電子リングの仕組み

7本指に装着し無線で動作
加速度センサーで静的・動的動作を検出
蛇行パターン配線で耐久性確保
個人差に対応し校正不要

翻訳精度と今後の課題

ASLと国際手話で約88%の認識精度
各100語・計200語の語彙に対応
表情や体の姿勢は未対応
スマートフォン連携を目指す
詳細を読む

韓国・延世大学の研究チームが、AI搭載の電子リングを開発し、手話をリアルタイムでテキストに翻訳するシステムを発表しました。この研究成果は2026年5月1日付の学術誌Science Advancesに掲載されています。従来のカメラ方式やスマートグローブ方式の課題を克服し、軽量かつ実用的な手話翻訳デバイスの実現に一歩近づいたものです。

研究チームは各指の手話への貢献度を分析し、主要な役割を持つ7本の指にリングを装着する設計としました。各リングにはBluetooth Low Energy SoCと加速度センサーが搭載され、静止姿勢と動きの両方を検出します。手袋型デバイスと異なり、指のサイズや長さの個人差にも柔軟に対応でき、蒸れや不快感の問題も解消しています。

深層学習システムによる認識実験では、訓練に参加していない5名の被験者を対象に、アメリカ手話100語で88.3%、国際手話100語で88.5%の精度を達成しました。従来の無線方式では50語未満の語彙に限定されていたため、200語対応は大きな進歩です。単語単体だけでなく、連続した手話文の翻訳も可能であることが示されています。

一方で現時点の制約も明確です。研究者のHwang教授は、手の動きのみをテキスト化する現行システムでは、手話の文法上重要な表情・口の動き・体の姿勢・空間構文を捉えられないと指摘しています。また語彙数も実用的な会話に必要な数千語には遠く及びません。

今後の開発では、より多くの被験者・語彙・手話スタイルへの拡張、韓国手話への対応、バッテリー持続時間の延長(現在約12時間)、そしてノートPCからスマートフォンへの処理移行が計画されています。さらに聴覚障害者コミュニティとの協働開発や、リハビリ・神経疾患評価・VR/ARインターフェースなど手話以外の応用も視野に入れています。