AllenAI、衛星画像AI「OlmoEarth v1.1」で計算コスト3分の1に

効率化の技術的手法

トークン統合で系列長を3分の1に短縮
Sentinel-2の3解像度帯を単一トークンに統合
事前学習手法の改良で精度低下を抑制

実用面の影響

推論・学習コストが最大3倍効率化
地球規模の地図更新頻度向上が可能に
Base・Tiny・Nanoの3サイズで公開
学習コードと重みをオープンソースで提供
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AI研究機関AllenAIは2026年5月19日、衛星リモートセンシング向け基盤モデルOlmoEarth v1.1」を公開しました。前バージョンと同等の性能を維持しながら、計算コストを最大3分の1に削減したモデルファミリーです。マングローブの変化追跡や森林減少要因の分類、国規模の作物マッピングなど、環境保護に関わるパートナー組織の活用拡大を目指しています。

効率化の鍵は、Transformerモデルのトークン系列長の短縮にあります。従来のOlmoEarth v1では、Sentinel-2衛星画像の10m・20m・60mという3つの解像度帯ごとに別々のトークンを生成していました。v1.1ではこれらを単一トークンに統合し、トークン数を3分の1に圧縮しています。Transformerの計算量は系列長の二乗に比例するため、この削減が大幅なコスト低減につながります。

ただし、解像度帯の単純な統合は精度低下を招きます。実際、素朴な統合ではm-eurosat kNNベンチマーク10ポイントもの精度低下が確認されました。AllenAIは事前学習の手法を改良することでこの課題を克服し、v1と同等の性能を実現しています。学習データセットはv1と同一のため、手法変更の効果を厳密に分離して検証できる点も研究面で価値があります。

モデルはBase・Tiny・Nanoの3サイズで提供され、Hugging Face上で重みと学習コードがオープンソースとして公開されています。AllenAIは、より効率的なモデルにより自組織のプラットフォームでより多くのパートナーを支援でき、独自運用するチームにとっても惑星規模の地図更新がより手頃になると説明しています。