米ユタ州で4万エーカーの巨大データセンター計画に住民猛反発
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米ユタ州Box Elder郡で、投資家Kevin O'Leary氏が支援する4万エーカー規模のデータセンター「Stratos Project」が郡委員会の承認を得ましたが、環境負荷への懸念から住民の強い反発に直面しています。同計画はAI分野での米国の覇権確立を掲げ、Spencer Cox知事の支持も取り付けました。
Stratos Projectはマンハッタンの2倍超の面積に9GWの電力を消費する施設で、第1期だけで40億ドル超の投資が見込まれます。電力はRuby Pipelineからメタンガスを引いて敷地内発電所で賄う計画ですが、その消費量はユタ州全体の家庭・企業・発電所が使う天然ガスの約1.5倍に相当します。
環境面の懸念は深刻です。ユタ州立大学の物理学教授Robert Davies氏の分析によると、施設の熱負荷は16GWに達し、「毎日原爆約23個分のエネルギーを地域環境に放出する」規模になります。周辺の砂漠では日中2〜5°F、夜間は8〜12°Fの気温上昇が予測され、砂漠の生態系が依存する夜間の結露が失われる恐れがあります。
水資源も争点です。当初計画していたSalt Wells Springからの取水には約4000件の異議が寄せられ、開発側は申請を取り下げました。しかし新たに「Hansel Valleyの無名の泉」からの取水を申請しており、最近成立した水利権法により、公共の福祉への影響を理由に申請を却下することが難しくなっています。
住民側は郡の承認を覆す住民投票の実施を申請しています。一方、郡委員のBoyd Bingham氏は抗議者に「いい加減にしろ」と発言し、Cox知事も許認可の迅速化を主張。O'Leary氏は反対派を「中国の資金提供を受けている」と非難するなど、政治的対立が激化しています。巨額投資と住民の直接民主主義が正面からぶつかる象徴的な事例となっています。