NvidiaとUnitree提携、AI搭載ヒューマノイドの設計図公開

ハードとソフトの融合構成

Thor T5000チップで環境認識と動作制御
Unitree製の6フィート・68kg人型ボディ
シンガポールSharpa社の高精度ハンド採用
研究者向けに訓練用ソフト一式提供

ロボット産業と地政学の交差

中国ヒューマノイド禁止法案の動きも
データ安全性懸念にセキュリティ機能追加
Unitreeの低価格(約1万5千ドル)が強み
Nvidia CEO、数兆ドル規模の市場と展望
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Nvidiaのジェンスン・ファンCEOは2026年6月、中国ロボットスタートアップUnitreeと共同で、ヒューマノイドロボットH2 Plus」の設計図(ブループリント)を発表しました。身長6フィート(約183cm)・体重150ポンド(約68kg)のUnitree製ボディに、NvidiaのAIチップThor T5000」を搭載し、シンガポールSharpa社の精巧なロボットハンドと専用ソフトウェアを組み合わせた構成です。

Thorチップは高度なAIモデルを実行し、ロボットが周囲の環境を理解して自律的に動作する頭脳となります。Sharpa社のハンドはカードの手品やリンゴの皮むきまでこなす器用さを備え、ロボット工学で未解決の課題である巧緻性の壁に挑みます。Nvidiaロボティクス製品担当ディレクターのスペンサー・ファン氏は「Unitreeは最初のパートナーだが、最後ではない」と述べ、今後の展開を示唆しました。

一方、この提携は地政学的な緊張の中で注目を集めています。アメリカでは中国ヒューマノイドの政府利用を禁止する法案が提出され、Unitreeのロボットがデータを外部送信する能力を持つとのセキュリティ研究も公表されました。カーネギー国際平和財団のスコット・シンガー氏は、アメリカが世界最高のAIチップを持ち中国ハードウェアサプライチェーンで優位に立つ構図を指摘し、双方が協力する意義を語っています。

Unitreeのロボットは低価格でも知られ、基本モデルのG1は約1万5千ドルと、競合の数十万ドルを大きく下回ります。Nvidiaセキュリティ機能を追加することで利用者の懸念に対応する構えです。ファンCEOは「ヒューマノイドロボットは世界最大の産業にフィジカルAIをもたらし、数兆ドル規模の経済機会を生む」と述べました。アメリカの技術力と中国の製造力が融合するこの提携が、ロボット産業の勢力図をどう変えるのか。今後の政策対応と市場動向が問われます。