HPE、NVIDIA基盤のAIファクトリーをエージェント時代向け拡張

新CPUと運用基盤

エージェント特化CPUVera採用
NYSEが早期顧客として検証
Rubin GPU最大128基/ラック
Agent Toolkit標準提供

セキュリティと統治

全製品で機密コンピューティング対応
不正エージェント検知と復旧
実行前の集中ガバナンス審査
詳細を読む

HPEとNVIDIAは6月16日、米ラスベガスで開催中の年次イベントHPE Discoverで、共同開発するAI基盤「HPE AI Factory with NVIDIA」を企業向けのAIエージェント本番運用に対応させるべく拡張すると発表しました。実証実験から本番導入へと移る企業需要に応え、エージェント特化の新型CPUや運用ツール、機密データ保護機能を全製品群へ広げます。

中核となるのが、エージェント向けに設計された世界初のCPUとうたうNVIDIA Veraです。ツール呼び出しやオーケストレーション、リアルタイムのデータ処理といったエージェント処理に最適化され、低遅延で決定的な性能を提供します。これを搭載したサーバーは2027年に、ターンキー型のHPE Private Cloud AIとして提供される予定です。

Veraは1兆パラメータ超の大規模モデルを想定したVera Rubinプラットフォームの一部で、ニューヨーク証券取引所が早期顧客として検証を進めています。HPEは最大128基のRubin GPUを1ラックに収容できる新サーバーも投入し、フロンティア級モデルの学習・推論需要に備えます。

運用面ではNVIDIA Agent ToolkitをHPE Private Cloud AIで利用可能にしました。エージェントの挙動監視やガバナンス方針の強制を担い、長時間稼働する自律型のマルチエージェントを安全に構築・運用できる「エージェント版OS」として機能します。モデルやツールは実行前に中央のセキュリティ方針へ照合され、不正な動作はクリーンな状態へ巻き戻せます。

セキュリティの要として、NVIDIA Confidential ComputingがHPE AI Factoryの全ソリューションに対応しました。実行中のモデルや機密データを暗号化と検証で保護し、オンプレミスや主権AIの導入でも安全性を担保します。BlueField DPUによるゼロトラスト制御も性能を犠牲にせず脅威検知を実現します。

HPEはネットワークやストレージを含む全製品でNVIDIAとのフルスタック統合を進め、パートナープログラムにも約12社の新たなAIソフト企業を加えました。経営層にとっては、エージェントAIを統治・主権・拡張性を確保しつつ本番投入できる選択肢が広がった形と言えるでしょう。