FaceID共同発明者、AIで脳の健康診断に挑む
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Apple の FaceID を共同開発した技術者ジディ・リトウィン氏が、AI で脳の健康を解析するスタートアップ「Hemispheric」を率い、7月15日に5200万ドルの資金調達を発表しました。同社は10万人分の脳データを収集し、手術を必要とせずに脳の電気活動から認知機能を読み解く深層学習モデルを構築しています。米国とイスラエルのベンチャーキャピタルや個人投資家が出資しました。
リトウィン氏は2020年に Apple を退社し、LinkedIn で接触してきた共同創業者ハガイ・ララザル氏と出会いました。Vision Pro のハンドトラッキング開発で数十万人規模のデータ収集を手掛けた経験を、脳データの大規模収集に応用したといいます。ララザル氏は適任者を探す中で約75人と面談し、事業を推進できる相棒としてリトウィン氏に白羽の矢を立てました。
従来、うつ病やアルツハイマー病、パーキンソン病の診断は主観的な問診や行動観察に頼らざるを得ませんでした。両氏はアジアやテルアビブ、ボストンで有償ボランティア10万人から25万時間分の脳データを集め、ゲームのような課題で脳の各部位を活性化させて記録しました。大規模言語モデルが文章から意味を推定するのと同じ仕組みで、脳の電気活動から機能を推論する基盤モデルを訓練したのです。
診断ではEEGヘッドセットを装着し、タブレットのアプリを操作しながら約15分間、脳の電気活動を計測します。AI が信号を解読して臨床医の診断や治療法の選択、経過観察を支援する仕組みです。ララザル氏は「血液検査のような存在を目指す」と語り、装置を安価にして精神科クリニックや病院、心理士のもとへ広く普及させる構想を描いています。
同社はまずPTSD向けの製品を来年初めにFDAへ申請し、2027年後半の一般提供を目指します。現在はアルツハイマー病の診断や予測が可能かを検証する臨床研究を進めています。OpenAI や Anthropic といった大手も医療分野へ進出しており、競争が激しさを増す中で同社は独自の脳スキャナー開発にも取り組んでいます。