ノーラン監督、AIは中身が見えるトロイの木馬

ワークスロップ動画

ノーラン監督の発言

AIは中が透けるトロイの木馬
若者のAI離れを評価
提供側の動機への懐疑

広がる拒否反応

AIスロップという造語
2023年の脚本家・俳優スト

映画界と本人の姿勢

監督組合の生成AI保護条項
自称は技術嫌いでなく懐疑派
全編IMAXフィルム撮影の新作
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映画監督のクリストファー・ノーラン氏が7月19日までに公開されたインタビューで、AIを「中にギリシャ兵がいると誰もが知っているトロイの木馬」と評しました。新作「オデュッセイア」が公開中の同氏は、若者を中心に広がるAIへの強い不信感を健全な懐疑だと位置づけ、技術そのものと提供する側の動機の双方を疑うべきだと語りました。

この発言は、動画メディア「HugoDécrypte」を運営するユーゴ・トラヴェール氏によるインタビューで飛び出しました。新作の鍵となるトロイの木馬になぞらえ、AIも日常に迎え入れた後に別の暗い何かへ変わるのではないかと問われた場面です。ノーラン氏は笑いながら、その木馬はガラス製で中が透けていると返しました。

同氏が特に注目するのは若い世代の反応です。「これほど急速に進歩しながら、これほど完全に世間から拒絶された技術は見たことがない」と述べ、子ども世代がAI動画を即座に「AIスロップ」と呼んで切り捨てる様子を挙げました。技術は大きな贈り物をもたらすが、与える側の動機も同時に疑ってこそ最良の成果を引き出せる、というのが同氏の主張です。

背景にはハリウッドの構造的な懸念があります。AIは2023年の脚本家組合と俳優組合によるストライキで最大の争点となり、ノーラン氏が会長を務める全米監督協会も直近の労働協約で生成AIに関する保護を勝ち取りました。ただし同氏は今回、AIの何を脅威と見るのかまでは具体的に語っていません。

ノーラン氏はスマートフォンを持たないことでも知られますが、自らを技術嫌いではなく「テクノ懐疑主義者」と定義します。新作「オデュッセイア」は全編をIMAXフィルムとカメラで撮影した初の長編映画であり、旧来の仕組みを守りながら新技術も取り込む姿勢の表れと言えます。新しいものが、まだ有効な仕組みを犠牲にして売り込まれる点にこそ警戒すべきだ、というのが一貫した問題意識です。