キャタピラー、鉱山自動化の知見をAI展開に活用

現場へのAI導入

音声AIが修理手順を案内
接続機器160万台のデータ活用
AIでレガシーコードを刷新

浸透への課題

自動化拡大へ運用体制見直し
熟練者の知見をAIに継承
11万8000人へ再教育計画

業績への効果

売上高205億ドルで最高更新
発電向け売上72%増加
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建設・鉱山機械大手のキャタピラーは、今月米ラスベガスで開催されたAi4カンファレンスで、最高技術責任者(CTO)のジェイミー・マイナート氏が、数十年かけて培った鉱山自動化の知見を企業向けAI導入に活用する方針を明らかにしました。多くの企業がAI技術を日常業務に統合する難しさに直面する中、同社は自動化事業で得た教訓を横展開する狙いです。

具体策の一つが、現場の技術者が機械の前で音声コマンドを使い、修理手順の確認やトラブルシューティング、必要部品の特定を行える「CatAIアシスタント」です。マイナート氏によると、既に顧客や現場のオペレーター、技術者に利用が広がっているといいます。このツールは同社が保有する接続機器のデータを基盤としており、世界で約160万台の接続資産から得られる16ペタバイト超の構造化データを活用しています。

キャタピラーは製造現場のスキャンやデジタルツイン生成にもAIを活用し、稼働状況の分析を進めています。ソフトウェア開発の分野でもAIエージェントを使い、老朽化したコードの刷新や新規ソフトの生成・テスト、不具合の早期発見に取り組んでいるとマイナート氏は説明しました。

一方でマイナート氏は、技術を開発するだけでは不十分だと強調します。自律機械の導入は現場の作業員の働き方や既存の業務プロセスの見直しを伴うためです。同社は熟練オペレーターの知見をAIシステムの学習に活用しており、単一機械の操作から遠隔指令センターで複数機械を監督する役割へと移行するオペレーターも出てきています。

この変化は従業員11万8000人の再教育という新たな課題も生んでいます。キャタピラーは今後5年間で1億ドルを投じ、AI・自動化・ロボティクス分野の人材育成を進める計画です。

こうした投資は、AIインフラ需要の拡大による業績拡大を後押しする狙いもあります。第2四半期の売上高は205億ドルと過去最高を記録し、データセンター向け発電設備の需要増を受けて発電部門の売上は72%増の31億ドルに達しました。ジョー・クリード最高経営責任者(CEO)は、クラウドコンピューティングと生成AIインフラへの需要について「減速の兆しはない」と述べています。