Reliance Jio、クラウドPCを他社回線にも開放
提供範囲の拡大
料金と性能
普及上の課題
詳細を読む
Reliance Jioは2026年9月2日、インドでクラウドPCサービス「JioPC」を自社の固定回線契約者以外にも開放しました。通信会社を問わず、インターネット接続と既存のパソコンがあればJioのクラウドから仮想PCを利用でき、買い替えや機器増設なしで最長8年前の端末にもAI用途に必要な計算力を提供する構想です。
プランは最大8個の仮想CPU、16GBのメモリー、1TBの保存容量を備え、処理と保存の多くをJioのデータセンターへ移します。価格は2カ月1000ルピーからで、1年契約は8GB・500GB構成が4000ルピー、16GB・1TB構成が5000ルピーです。
IDCによると、インドでは2025年に6500万台超のパソコンが使われ、2026年末には約6900万台へ増える見込みです。消費者と小規模企業の買い替え周期は2022年の4~5年から5~6年へ延び、企業も従来の3年から約4年へ長期化しています。
Jioは機器を買い替える代わりに計算能力へ継続課金する市場を開き、端末の利用期間をさらに延ばそうとしています。市場調査会社の専門家は、従来型パソコンを置き換えるのではなく、新しいAI対応機を買いにくい家庭や学生向けの価格重視層を形成する可能性があるとみています。
一方、JioPCは安定したインターネット接続が必要で、通信障害が起きれば利用体験に影響します。機器を所有する傾向が強いインドでは、オフラインでも使える従来型や低価格の中古パソコンとの競争も残ります。
Jioは旧型端末を「AI対応」にできると訴えますが、公表仕様には端末上で生成AIを動かす専用のAI演算装置が記載されていません。普及の分岐点は、利用者がクラウドの計算能力を一時的な代替手段ではなく、料金を払う日常的なサービスと受け止めるかどうかです。