Worldmodeldata、ゲーム約100万時間を学習用に

狙いと仕組み

ゲーム操作と映像の収集
複数スタジオのデータ仲介
約100万時間の利用許諾

期待される用途

物理の因果関係を学習
希少事例の幅広い収集
現実データで追加調整

限界と論点

ゲーム内物理の粗さ
精密な物体操作に不向き
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イギリスの新興企業Worldmodeldataは、ゲーム映像と操作入力を組み合わせた約100万時間分のデータを複数のゲーム会社から利用許諾し、物理世界を理解するAI「世界モデル」の訓練用に仲介しています。大量の映像と行動の組み合わせから原因と結果や珍しい状況を学ばせ、個別企業が各ゲーム会社と契約する負担と、ロボットなどの実世界データ不足を補う狙いです。

世界モデルには映像だけでなく、物をつかむ強さや動かす際の回転力など、行動と結果を結び付けたデータが必要です。大量の文章を利用できる大規模言語モデルと異なり、インターネット上にはこうした因果関係のデータがほとんどありません。

人やロボットにセンサーを付けて実験データを作る方法は、量が限られ、現実で起こる例外的な状況を十分に含めにくい課題があります。同社は、3D空間の映像とプレーヤーの操作が対になったゲームデータなら、量と多様性の両方を確保できると考えています。

Worldmodeldataは各ゲーム会社のデータを選別・整理し、研究所が個別に多数の契約を結ぶ手間を省く仲介役を目指します。将来は個人プレーヤーへ対価を払う仕組みも検討し、まずゲームデータで学習した後、用途ごとの現実データでモデルを調整する構想です。

一方、Nvidiaの世界モデル責任者は、ゲーム内の物理表現には省略や独自ルールが多く、指先の圧力まで必要な精密な物体操作の学習には向かないと指摘します。同社は現実の物理を再現する専用基盤を使い、ゲームデータは写実的な動画や3D環境の生成に適するとみています。

サリー大学の研究者も、ゲームには一定の物理的な根拠があるものの、粗く近似的だと評価しています。データ量を増やせば世界モデルの性能が伸びるという仮説はまだ十分に検証されておらず、どの手法が最善かは定まっていません。