OpenAI、COBOL移行で挙動維持98%

実験結果

高推論時に挙動維持98%
低推論時は87%

現場の壁

複数言語とデータ連携
最大2億5000万行の規模

移行の条件

全テスト合格が成功条件
人間の検証が不可欠
詳細を読む

OpenAIは10月19日、AIモデルによるCOBOLなど旧式言語から現代的な言語への移行性能が大きく改善したと発表しました。GPT-6.1 Solは、元のソフトウェアの挙動を変えずにコードを移す自社評価で、低い推論量では87%、高い推論量では98%の挙動維持精度を記録しました。ただし、専門家はこの結果が銀行や行政を支える複雑な基幹システムの安全な置き換えを保証するものではないと指摘しています。

COBOLは1959年に生まれ、現在もオンライン銀行システムの4割超、対面クレジットカード決済の8割、ATM取引の95%を支えているとIBMは説明しています。米国では社会保障や内国歳入庁、州政府のサービスにも使われ、非効率が国内総生産に年約1050億ドルの損失を与えるとの概算もあります。

OpenAIの試験では、COBOLをC++、Java、Kotlin、Python、Rustへ移し、すべてのテストに合格した場合だけ成功とみなしました。低い推論量での挙動維持精度はGPT-6.1 Solが87%で、GPT-6 Astraの約86%、GPT-6 Solの21%、GPT-5.6 Solの5%を上回りました。

一方、専門家はコードの書き換えとシステムの置き換えは別だと警告します。実際の基幹系には複数言語、異なる形式のデータ、外部システムとの連携、組織固有の運用が絡み、最大級ではCOBOLだけで2億5000万行に達する例もあります。

安全な移行には、新旧システムで同じ処理を走らせる比較試験、AIによる変換内容の文書化、旧言語を知る人材のレビューが欠かせません。形式検証の活用も候補ですが、多大な作業が必要であり、現時点では人間による確認が不可欠です。AIは作業の高速化や費用削減に役立っても、残る1%の不具合が重大事故につながる領域では部分自動化だけでは足りません。