Meta、sEMG制御のディスプレイ搭載AIグラスを投入

マルチモーダル市場動向プロダクティビティ

革新的な入力技術

sEMG技術搭載リストバンドで操作
手の電気信号を解釈しデバイス入力に活用
右レンズに限定的な小型ディスプレイ搭載

新AIグラスの概要

コードネームは「Hypernova」と予測
想定価格は約800ドル、既存品より大型化
Ray-Ban Meta 第3世代など派生モデルも期待

周辺戦略とAI強化

既存・新規ハードへのMeta AI機能拡充
VRヘッドセットの新作発表は2026年以降
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Metaは来たるConnect 2025にて、AIに特化した次世代のスマートグラスを発表する見込みです。特に注目されるのは、右レンズに小型ディスプレイを搭載し、sEMG(表面筋電図)技術を用いたリストバンドで操作する新型モデルです。この新しいインターフェースは、デバイスとの接し方を根本的に変え、ビジネスパーソンの生産性向上に直結する可能性を秘めています。

この革新的な操作技術は、Metaが2019年に買収したCTRL-Labs社の技術が基盤となっています。sEMGは、ユーザーの手の動きに伴って発生する微細な電気信号を読み取り、それをデバイスへのコマンドとして解釈します。MetaはsEMG技術を「あらゆるデバイスの理想的な入力方法」と位置づけており、その実用化に大きな期待を寄せています。

「Hypernova」とコードネームされるこのディスプレイ搭載グラスは、限定的な視野ながらも、必要な情報を瞬時に表示するために設計されています。価格は約800ドルと予想されており、従来のRay-Ban Metaよりも厚みと重量が増す可能性があります。これは高度なセンサーと小型ディスプレイを内蔵するためと見られます。

一方、ディスプレイ非搭載の既存スマートグラスも引き続き強化されます。Ray-Ban Metaはすでに200万台を販売し成功を収めており、Connect 2025では第3世代の登場が予測されています。高性能なカメラやバッテリー寿命の改善など、AI利用を前提とした継続的なアップグレードが期待されます。

今回のConnectでは、ハードウェアだけでなくAI機能の拡張も主要テーマです。MetaはAIアシスタントを「Meta AI」アプリとして独立させ、AI生成コンテンツの共有機能などを拡充しています。既存のスマートグラスに対しても、AIを活用した機能アップデートが順次提供される見込みです。

主力VRヘッドセットであるQuestシリーズについては、今年は新作の発表は期待薄です。Metaは次期フラッグシップモデル「Quest 4」を2027年頃に据え、当面はHorizon OSをLenovoやAsusなどの外部企業にライセンス供与するプラットフォーム戦略に注力する構えです。