ロボットデータ基盤Alloy、約300万ドル調達で市場開拓

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オーストラリアのスタートアップAlloyは23日、ロボットが生成する膨大なデータを管理するインフラ開発のため、約300万ドル(約4.5億豪ドル)をプレシードラウンドで調達したと発表しました。このラウンドはBlackbird Venturesが主導しました。同社は、自然言語でデータを検索し、エラーを発見するプラットフォームを提供することで、ロボティクス企業の開発効率向上を目指します。今後は米国市場への進出も計画しています。

あなたの会社では、ロボットが生成する膨大なデータをどう管理していますか。ロボットは1台で1日に最大1テラバイトものデータを生成することがあります。カメラやセンサーから常にデータが送られるためです。多くの企業は、この膨大なデータを処理するために既存のツールを転用したり、内製ツールを構築したりしており、非効率なデータ管理が開発の足かせとなっています。

Alloyは、ロボットが収集した多様なデータをエンコードし、ラベル付けします。利用者は自然言語でデータを検索し、バグやエラーを迅速に特定できます。ソフトウェア開発の監視ツールのように、将来の問題を自動検知するルールを設定することも可能で、開発の信頼性向上に貢献します。これにより、エンジニアは数時間に及ぶデータ解析作業から解放されるのです。

創業者のジョー・ハリスCEOは、当初農業用ロボット企業を立ち上げる予定でした。しかし、他の創業者と話す中で、業界共通の課題がデータ管理にあると気づきました。自身の会社のためにこの問題を解決するよりも、業界全体のデータ基盤を整備する方が重要だと考え、2025年2月にAlloyを設立しました。

Alloyは設立以来、オーストラリアのロボティクス企業4社とデザインパートナーとして提携しています。今回の調達資金を活用し、年内には米国市場への本格的な進出を目指します。まだ直接的な競合は少なく、急成長するロボティクス市場で、データ管理ツールのデファクトスタンダードとなることを狙っています。

ハリス氏は「今はロボティクス企業を設立するのに最高の時代だ」と語ります。同氏は、今後生まれるであろう数多くのロボティクス企業が、データ管理という「車輪の再発明」に時間を費やすことなく、本来のミッションに集中できる世界を目指しています。このビジョンが投資家からの期待を集めています。