ChatGPTがOS化へ。「Apps SDK」で外部アプリを統合
連携アプリの核心
対話を通じた機能実行
開発者への新機会
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OpenAIは年次開発者会議「DevDay」で、サードパーティ製アプリをChatGPT内に直接統合できる新ツール「Apps SDK」を発表しました。これにより、ChatGPTは単なるチャットボットから、AI駆動のオペレーティングシステム(OS)へと進化します。ZillowやSpotify、Canvaなどの有名サービスが既に連携を始めており、ユーザーはチャットを離れることなく、アプリの機能を自然言語で呼び出して利用できます。
Apps SDKの最大の特長は、従来のプラグインやGPTsと異なり、完全にインタラクティブなUIをチャット内に表示できる点です。例えば、ユーザーが特定の不動産を検索すれば、チャットウィンドウ内にZillowの対話型マップが表示されます。これにより、会話の流れを中断せず、視覚的な要素や操作を通じてタスクを完了できるため、ユーザー体験が大幅に向上します。
具体的な利用シーンとして、Canva連携では、「次のセール用インスタグラム投稿を作成して」と依頼するだけで、デザイン案が生成されます。また、ExpediaやBooking.comとの連携により、旅行の計画やホテルの予約も会話を通じて完結します。これは、AIがユーザーの指示を理解し、外部サービスのアクションを代行する「エージェント」機能の実現を意味します。
開発者にとって、Apps SDKは既存のシステムとAIを連携させる強力な手段です。これは、オープンスタンダードである「Model Context Protocol(MCP)」に基づいて構築されており、既存の顧客ログインやプレミアム機能へのアクセスも容易になります。これにより、開発者は8億人以上のChatGPTユーザーという巨大な流通チャネルを獲得可能です。
今後、OpenAIはアプリの収益化サポートを強化する予定です。「Agentic Commerce Protocol」により、チャット内での即時決済機能(インスタントチェックアウト)を導入する計画も示されました。さらに、法人・教育機関向けプランへの展開や、ユーザーがアプリを探せる専用ディレクトリの公開も予定されており、AIエコシステム構築が加速します。