GM、2028年に『目離し運転』実現へ

導入事例エージェントインフラ

AIで変わる車内体験

2026年にGoogle Gemini搭載
自然な会話で車を操作
将来的にはGM独自AIも

2028年、レベル3運転へ

高速道路で手と目を解放
高級SUVから順次導入
旧Cruise部門の技術を活用

支える新技術基盤

新コンピューター基盤を導入
OTA更新能力が10倍に向上
@Goldriver2020のXポスト: GM: 2028年にハンズフリー運転を市場に投入する計画で キャデラックエスカレードIQ電気SUVでデビュー 来年から GM 車両にGoogle Geminiを搭載した 会話型 AI が搭載されます https://t.co/a7v7vIMn4Z
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米ゼネラル・モーターズ(GM)は10月22日、ニューヨーク市で開催したイベントで、新たな技術戦略を発表しました。柱は2つ。2026年までにGoogleの生成AI「Gemini」を搭載したAIアシスタントを導入すること、そして2028年までに高速道路で手と目を離せるレベル3の自動運転システムを実用化することです。ソフトウェアとAIを軸に、次世代の自動車体験の主導権を狙います。

2026年に導入されるAIアシスタントは、GoogleのGeminiを搭載します。これにより、ドライバーはより自然な会話でルート設定やメッセージ送信、情報検索などが可能になります。GMは既存の音声アシスタントが抱える課題を大規模言語モデルで解決できると見ており、将来的には車両データと連携する独自のAI開発も視野に入れています。

自動運転技術の目玉は、2028年に高級SUV「キャデラック・エスカレードIQ」から導入される「ハンズオフ・アイズオフ」システムです。これはSAE(自動車技術会)が定めるレベル3に相当し、特定の条件下でドライバーが前方から視線を外すことが認められます。高速道路では時速80マイル(約129km/h)まで対応する計画です。

この高度なシステムの実現には、LiDARや高精細マップ、そして先進的な機械学習が統合されます。特筆すべきは、かつて自動運転タクシー事業を展開し、現在は閉鎖された子会社「Cruise」の技術資産と人材を活用する点です。これにより開発を加速させ、競合のメルセデス・ベンツなどを追い抜く構えを見せています。

これらの先進機能を支えるのが、2028年に導入予定の新しい中央集権型コンピューティングプラットフォームです。これにより、無線でのソフトウェア更新(OTA)能力は現行の10倍に、AI処理性能は最大35倍に向上。ソフトウェア主導の車作りを本格化させ、車両の価値を継続的に高めていく戦略です。

GMはEV(電気自動車)事業で一部生産縮小を余儀なくされる中、今回の発表でソフトウェアとAIを新たな成長の柱とする姿勢を鮮明にしました。自動車が単なる移動手段から「インテリジェントなデバイス」へと進化する時代。同社の描く未来図は、業界全体の競争軸を大きく変える可能性を秘めているのではないでしょうか。