Amazon Music、対話型AIで音楽発見を革新
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Amazonは11月4日、同社の音楽配信サービス「Amazon Music」のモバイルアプリに、対話型AIアシスタント「Alexa+」を統合したと発表しました。これにより、ユーザーはより自然な会話を通じて、新たな音楽を発見したり、複雑なリクエストに応じたプレイリストを作成したりすることが可能になります。
新しいAlexa+は、従来の単純なコマンド応答型アシスタントとは一線を画します。「マドンナのような90年代のポップスで、ボーイバンドは除外して」といった、曖昧で複雑な指示を理解し、ユーザーの意図を汲み取った楽曲推薦やプレイリスト生成を実現。音楽発見の体験をより直感的でパーソナライズされたものへと進化させます。
特筆すべきは、その高度なプレイリスト作成能力です。例えば「ニッキー・ミナージュの曲から始まる、気分が上がる2010年代のヒット曲でプレイリストを作って」といった、複数の条件を含むリクエストにも対応。ユーザーの気分や状況に合わせた、オーダーメイドの音楽体験を提供します。
さらに、楽曲やアーティストに関する深い知識も提供します。「この曲は何について歌っているの?」や「このアーティストが影響を受けたのは誰?」といった質問に答えることで、ユーザーは音楽への理解を深めることができます。単なる音楽再生ツールから、知的好奇心を満たすパートナーへと進化しているのです。
先行アクセスユーザーのデータでは、新機能利用者は従来のAIアシスタントに比べ、楽曲探索が3倍に増加。また、推薦機能を試したユーザーの音楽再生時間も約70%増加しており、エンゲージメント向上に大きく貢献していることが示唆されています。
この動きは、ChatGPTを統合した競合のSpotifyを強く意識したものと見られます。Amazonは自社のAI技術をサービスの中核に据えることで、競争の激しい音楽ストリーミング市場での優位性を確立する狙いです。Alexa+の展開は、同社のAI戦略における重要な一歩と言えるでしょう。