Google新AI、自賛の裏で基本機能に不具合
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Googleが、スマートスピーカー向け新AIアシスタント「Gemini for Home」の展開が順調だと発表しました。しかし、その公式見解とは裏腹に、ユーザーからはアラーム設定やデバイス制御といった基本的な機能不全が多数報告されています。この状況は、生成AIをスマートホームへ統合する上での技術的な難しさを浮き彫りにしています。
Googleは公式ブログで、展開開始2週間を記念し「すべて順調に進んでいる」と成功をアピール。ユーザーの好意的な声も引用しています。しかし、同ブログ内のFAQ(よくある質問)では、「クエリを誤解する」「デバイスを制御できない」といった深刻な問題が上位に挙げられており、公式発表との大きな乖離がうかがえます。
Geminiは、自然言語を理解し、複数の命令を一度に処理できると期待されていました。しかし初期ユーザーの報告によれば、複数のコマンドを連結させる機能がまだ動作せず、旧アシスタントより機能が後退した可能性さえ指摘されています。音声アシスタントの核となる機能でのつまずきは、ユーザーの信頼を損ないかねません。
なぜこのような問題が起きるのでしょうか。従来のAIアシスタントが「特定の命令に特定の動作を返す」コマンド&コントロール型だったのに対し、Geminiのような生成AIは創造的で柔軟な反面、一貫した結果を出すのが苦手です。この特性が、正確性が求められるスマートホーム制御において課題となっています。
この課題はGoogleに限りません。競合のAmazonが展開する「Alexa Plus」でも、同様に基本的な機能で誤作動が報告されています。生成AIの持つ「曖昧さ」を、いかにして厳密なデバイス制御に結びつけるかは、業界全体の大きな挑戦と言えるでしょう。
Geminiの展開は現時点で一部の早期アクセスユーザーに限定されており、極めて緩慢です。一般公開は早くても来春以降と見られています。スマートホームの利便性を飛躍させると期待される新世代AIアシスタントの本格普及には、まだ多くのハードルが残されているようです。