GoogleのFitbit AIコーチ、便利だが「人間」の壁は厚い

個別最適化と高い柔軟性

生活習慣に合わせ計画を自動調整
出張や設備不足にも代替案を提示
専門家の知見に基づく適切な指導

技術的課題と対人の価値

文脈理解が甘く設定解除に失敗
心拍ゾーン指導などが画一的
競争や共感は人間に及ばず
@DeNA_fullswingのXポスト: 【AI活用100本ノック:079📢】BIZ職が実践! \GeminiをAIパーソナルトレーナーに/ 社員の健康管理もAIがサポート🔥… pic.twitter.com/i8CBBb14yD
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Google傘下のFitbitが、AIを活用した「パーソナル・ヘルス・コーチ」のパブリックプレビューを開始しました。月額制のFitbit Premiumの一部として提供され、ユーザーの目標や生活に合わせて運動計画を提案します。しかし、最新のレビューによれば、AIは便利な一方で、人間のコーチや友人には及ばない側面も浮き彫りになりました。

このAIコーチの最大の利点は、柔軟なスケジューリング能力です。出張や急な予定変更があっても、AIが即座に代替案を提示し、ホテルの部屋でできる運動などを提案します。また、NBA選手などの専門家の知見を取り入れ、ランナーに必要な筋力トレーニングを適切に指導するなど、情報の質はある程度担保されています。

一方で、技術的な未熟さも見られます。レビューでは、一度「病気だ」と伝えると、回復後も運動強度が低いまま戻らないバグが報告されました。また、心拍数に基づくトレーニング指導が個人の体質に合わないケースもあり、AIが文脈や個人の機微を完全に理解するには至っていません。Googleはこれらの改善に取り組んでいるとしています。

さらに重要な指摘は、モチベーション維持における「他者」の役割です。自分より速い友人と走ることの切磋琢磨や、リアルな会話から得られるフィードバックは、AIチャットボットでは代替できません。AIは効率的なツールですが、健康維持の本質的な動機づけには、依然として人間同士のつながりが不可欠であるようです。